「シェアエコ活用度合がすごい若者がいる!」との噂を聞いて取材をしてきました。昨年12月から家なし生活を開始し、ゲストハウスやAirbnbで日本を転々としながら医師として働く28歳の中村元さんです。Uber Eatsやサマリーポケット、TABETE、SHARE KASAなどを使いこなしている暮らしぶりはもちろん、彼の目指す先にはどんなものがあるのでしょうか?

__家を持たない「シェアエコ生活」のきかっけを教えてください。

きっかけは研修医時代の出来事です。医療現場は想像していた以上に劣悪な労働環境でした。医師たちが休みなく働いていて、医療以外の世界のことは知る余裕もなくて…。医師たちにも心や身体の余裕がなければ、患者さんたちにやさしいケアなんてできないのではないか…。旅をして今後について少し考えたいと思っていました。
そんなある日、当時一人暮らしをしていた家の鍵をなくしてしまったんです。そこで偶然、蔵前にあるゲストハウスのNui. HOSTEL & BAR LOUNGE(https://backpackersjapan.co.jp/nuihostel/)に宿泊したことが、僕の今の生活の原点です。そこでの体験がとても刺激的で楽しかった。そして「家をもたずにゲストハウスを転々とすれば、日常の中で旅に近い体験ができるのでは」と思ったんです。

__Nui.では具体的にどんな体験があったんでしょうか?

年齢も仕事も国籍もさまざまな人たちがドミトリータイプの宿に宿泊していて、1Fにあるカフェバーが、話をしたり食事をしたりしてコミュニケーションを取る場なんです。スタッフも含めてあらゆる人が垣根なく交流していて、そこには境界線というものがなかった。異文化交流だったり、さまざまな世代の人の価値観を感じたり、話をすることがすごく刺激的で楽しかった。東京にいながら海外旅行をしているような感覚になったんです。

__具体的にどんなシェアエコサービスを活用していますか?

「宿なし生活をしよう!」と決めてからシェアエコサービスを調べて利用し始めたんですが、すごく充実していて驚きました。「これならできる!」と思いましたね。具体的には、「Airbnb」を使って、住みたい街を探しながら50件近い宿に宿泊しましたし、食べ物は「Uber Eats」や廃棄の危機にある食事を手軽にレスキューできる「TABETE」(https://tabete.me/)を使ったり。洋服や本などは、月額250円で利用できる個人倉庫「サマリーポケット」(https://pocket.sumally.com/pricing)に預けて、必要なものをそこから出したり。大きな荷物は倉庫を借りました。極力荷物を持ちたくないので、雨の日には「SHARE KASA」(https://www.share-kasa.com/blank-1)で傘もシェアしています。
これらに移動交通費を加えて計算しても、家賃や光熱費を払うより安かったんです。


明日から仕事で北海道へ行くという中村さんの荷物がこちら。


バックパックには衣類3セットと仕事道具の白衣と聴診器もしっかりありました。


趣味のスケボーを抱えて旅するドクターは、まるで映画の主人公のようでした。

__シェアエコ生活をはじめて変わったことはありますか?

宿泊することのポテンシャルの大きさに気づいたことですかね。これまでは、Airbnbの他にも、最新のテクノロジーが体験できるホテルだったり、図書館の中など面白い場所に泊まれるコンセプトホテルだったり、いろんな場所に泊まってきました。これらの宿で過ごす一夜と、漫画喫茶で過ごす一夜、一人暮らしの部屋で一人でテレビを見てダラダラ過ごす一夜。今の暮らしをするまでは、正直部屋でダラダラ派だったんですが(笑)、今では宿泊する度に何か新しいものと触れ合うことができています。宿泊とは一日の中で長い時間を過ごすことでもあるので、そこを意識的に選ぶことで、生活をより豊かにできるのではと思っています。

__今はどんなお仕事をしているのですか?

医師3年目なのですが、どこかの病院に勤務する形式ではなく、期間限定で数日だったり数ヵ月だったり「来てほしい」という病院に呼ばれて勤務しています。基本的には医師が足りない僻地が多いですね。

__どうして医師を目指そうと思ったのですか?

ラグビーで怪我をしたときの医師との出会いでスポーツドクターになりたいと思い、浪人時代に医師を目指しました。高校時代は文系だったので、企業で働く友人も多く、また趣味でスケボーに格闘技、ダンスやプログラミングもやっているので、理系畑の医師よりは視野が広く、珍しいタイプかもしれませんね。

__今後挑戦してみたいことはありますか?

働くこと(お金を稼ぐこと)が生活のためではなく、「明日の朝、働きに行くことが待ち遠しいと思えるような働き方」が僕の理想。
医学部入試の男女差別問題で話題となっていますが、“医療業界の膿”が出てくる中で医師にとってポジティブな気持ちで働けるような環境を作っていきたい。
それと、旅するうちに建築物にも興味が出てきて、一般的な病院のイメージ=無機質な白い箱でなくて、「デザインされた空間を持つ病院があってもいいのではないか」とか、過疎地域などの僻地にも医者が「ここで働きたい」と思える動機づけを考える、とか。僕が日本中を旅した中で感じたこと、経験したことをこれからの医療に活かせたらと思っています。シェアエコ生活は、そうした「やりたいことのネタ集め」でもあるのかもしれません。ある程度の期間を経たら、どこかに定住するつもりです。今イメージしているのは海の近くでの暮らしなので、自分に合っている街を見つけたいですね。

__これから「シェアエコ生活」を始めてみようかなという人にアドバイスを!

レンタルを繰り返すと、自分に何が必要か見えてくるんです。持ち物はもちろん、住みたい家や街、人間関係もそう。シェアエコ生活を期間限定でやってみると、「何が自分にとって本当に必要なのか」を見極められるきっかけになると思いますよ。おすすめです!

 

この記事の登場人物
  • 中村 元さん
    2017年12月から家なし生活を開始し、ゲストハウスやAirbnbで日本を転々としながら医師として働く28歳。Uber Eatsやサマリーポケット、TABETE、SHARE KASAなどを使いこなしているシェアエコ生活の達人。
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