21世紀の新しい街づくりのひとつとして注目を集めている「シェアリングシティ」。空間やスキル、移動や資金などのシェアサービスを使って、自治体の抱えるさまざまな問題を解決していこうというもので、海外ではアムステルダムやソウルなどが代表的です。

日本でもいよいよシェアリングエコノミーの普及に向けて動き出す自治体も出てきました。渋谷区は、2017年に一般社団法人シェアリングエコノミー協会と地域社会的課題の解決に向けた連携協定を締結しています。これまで文化の発信地であった渋谷から、シェアを使った新しいライフスタイルが生まれる可能性も大きいでしょう。
そんな中、新しい子育てのあり方を考えるイベント「子連れ100人カイギ in SHIBUYA」の中で、子育て世代のためのシェアリングエコノミー術を共有するセッションが開催されました。ここではその模様をお伝えします!

今回テーマは、食・趣味・保育・移動…といった、子育て世代のリソース(資源)を楽しく収入に活かそうというもの。そこで、シェアリングエコノミーに精通した、その名もシェアママ&シェアパパ代表として、シェアリングエコノミー協会事務局次長の小池弘代さん(小学生の娘を持つワーキングママ)と、REALBBQ株式会社取締役の福山俊大さん(小学生の息子を持つシングルファザー)によるトークイベントが行われました。

シェアママ・小池さんのおすすめシェアエコサービスとは?

私が今使っているシェアリングエコノミーサービスはいくつかあります。まずは、愛用していた電動自転車が壊れてから使っている「COGICOGI(COGICOGI)」という電動アシストのシェアサイクル。気軽に利用できて、駐輪場代や空気を入れるといった手間もかからず本当に便利。小学生になると子どもは自分で自転車に乗るようになるので、後ろに乗せる機会も減りますから、買い替えなくても意外とやっていけるんですね。電動自転車は、買うと10万円以上したりるすので、これはお得でした! ふたつ目は、「仕事で帰宅が遅くなってしまい夕飯を作る気力がない…」というときに利用する宅配サービスの「Uber Eats(Uber Eats)」。美味しいご飯を届けてもらう間に子どもとの時間を作れます。あとは、素敵な場所を時間貸しできる「Space Market(Space Market)」もおすすめ。先日もママ友たちと子どもたちの合同誕生会をしたのですが、自宅だと誰かに負担が集中してしまうので、これなら準備も皆でできるし華やかだし、とっても楽に楽しむことができました。

働いていると、どうしても子どもと向き合う時間が少なくなり、後ろめたくなるときもありますが、そんなときは「ごめんね」ではなく「ママ頑張ってくるね!」という言葉で前向きに。シェアリングエコノミーサービスも上手く活用して、仕事もママ業も楽しむことを大事にしていきたいと思っています。

シェアパパ・福山さんが手掛けるREALBBQとは?

私が運営する、貸切型の屋上BBQサービス「REALBBQ(REALBBQ)」は、大人も子どもも大好きなBBQが街中で手軽に楽しめるサービスです。手ぶらでリーズナブルに本格的なBBQ料理を堪能できて、空間を貸切できるので、最近では幼稚園や小学校などのイベントでママたちが使ってくれることが多いですね。子どもたちも屋上なら道路に飛び出したりする心配もないし、開放的な気分で楽しめます。

子育てと仕事のコツは“仕組み化”すること。永田町GRIDのコミュニティマネージャーとしても仕事をしていますが、ここはシェアオフィスでもあるので働き方も自由。おかげでシングルファザーでも自分の時間を確保しながら効率よく仕事が出来ています。
具体的には、子どもの習い事の待ち時間にクリーニングを取りに行ったり、母に息子をお願いする“残業DAY”には、友人たちと食事をしたり飲みにいったり…。家事代行の「タスカジ(タスカジ)」やご近所でサービスを提供し合う「Anytimes(Anytimes)」など、シェアリングエコノミーサービスを仕組みの中に上手に取り入れてルーティン化できると、無理がなくストレスも軽減できると思います。

夫婦の家事・育児分担をチェックして見えてくること

次に配られたのが、こちらの「子連れ家事育児100タスク表」。ゴミを捨てる、テーブルを拭く、子どもを保育園に連れて行く、夜泣きに対応する…。
夫婦の家事や育児にまつわる100のコトを細かく色分けしてみると、「私ばっかりだわ!」と落胆する人(私もです…)、「意外とパパはやってくれているのね」と見直す人と反応はさまざま。その結果、夫婦喧嘩をするのではなく(笑)、お互いが無理なく分担しやすくできるためにできることを話し合ったり、家事代行サービスを使ってみたりとシェアリングエコノミーサービスを取り入れるのもひとつの解決策かもしれませんね。

後日、この表をママ友数人にも配ってみたところ、「私たちこんなに頑張っているんだね!すごい!」と励まし合うことができました。それもひとつの共感のシェア(!?)…。ともかく、家事・育児を見直すいい機会になりました。

リアルなママの声!「こんなシェアサービスが欲しい」

最後に参加した子育て中のママたちから、「こんなシェアリングエコノミーサービスがあったらいいな!」というものをディスカッション。
・雨の日の保育園までの送迎シェア(車やバス)
・地域ごとにお得な子育て情報が手軽に知れる情報シェア
・学校や習い事を選ぶための、実際に通っている人の声をシェア  
・ご近所ママと短時間の預かりや送迎など、連携をシェア  など…。
どれもあったらいいな、と思うリアルな意見ばかりでした。

会場には、「あなたにとって子どもとは?」「子連れでチャレンジしたいこと」をポストイットで見える化できるスペースも。

「シェアリングエコノミーサービスは使う側も評価されるので、一度使うまでがハードルが高いかもしれませんが、一度使ってみると“こんなに便利なサービスがあったなんて!“と思えるはずです。将来的には、使う側の評価が社会的信用になる時代が来るかもしれないので、ぜひ興味を持っていただけたら嬉しいです」という小池さんの言葉が印象的でした。今後のシェアリングシティ・渋谷区でのシェアの広がりからも目が離せません!

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