2020年1月15日オンラインで開催され100名以上が参加した、シェアリングエコノミー協会主催のイベント「2021年にオンラインで第2の収入源の作り方を学ぶ~初心者向け緊急セミナー~」の模様をお伝えします。

講師はオンラインワーカーの加藤こういちさんと、糸原絵里香さん。「ストアカ」「タイムチケット」などのスキル系シェアサービスのトップランカーである彼らが、どのようにオンラインで売り上げを伸ばしていったのか。さらに、コロナ禍でもトライしやすいオンライン副業のノウハウも満載です!

まずは加藤こういちさんより、緊急事態宣言に伴いこのセミナーを緊急で開催することになった経緯の話からスタート。

 

 

__シェアリングエコノミーが受けたコロナの影響とは?
2020年のシェアリングエコノミー経済規模は2兆円と言われています。観光、介護業界への打撃は大きかったものの、場所貸しや対面スキルなどのサービスは柔軟にオンライン化することでカバーできています。たとえば、「スペースマーケット」がテレワークスペースにシフトしたり、「ストアカ」をオンラインでも可能にしたことで、過去最高の月間利用者になりました。一方で、巣ごもり需要から、コロナを追い風にした「地方移住のシェア」、「UberEats」などの配達シェアはニーズが増えています。
2021年は去年よりも対面のビジネスが厳しいのではという感覚です。いよいよオンラインで第2の収入源が迫られているときではないでしょうか。

___自分にあったスキルシェアの働き方はどう選べばいい?
スキルシェアを対面系とオンライン系に分けて解説していきましょう。
対面系のスキルシェアには、大きくわけて「家事のシェア」「田舎旅で労働のシェア」「単発バイトのシェア」「介護施設でのスキルシェア」の4つがあります。
次に、オンライン可能なスキルシェアには、クラウドソーシング型とサービス主体型の2タイプがあります。働く感覚の違いでどちらの働き方が合うかを選んでみてください。

【クラウドソーシング型】
組織の仕事を細分化しやすくしたもので、自分が何をやりたいかわからない人や今の仕事を生かしたい会社員タイプに向いている。仕事が発注者ベースなので直近でも稼ぎやすい。

【サービス主体型】
好きや得意なことを売り買いしたい自営業タイプ向き。いきなりまとまった収入を得るのは難しいが、長い目で見てレビューを集めながら、やれる範囲で単価を上げていけば、ライフスタイル的にいい状況を生み出しやすい。

 

加藤こういちさんが実践したシェアワーカー成功までの7つのステップ!

__2020年は1日4時間で月平均70万円稼いだという加藤さんが、オンラインワーカーとして意識したポイントを教えてください。
僕はシェアワーカーとして以下の7つのステップを実践していきました。

ステップ① まずはゲスト視点で100回以上利用してゲスト目線を得る!
もともとシェアサービスを使うのが好きだったので、ゲストとして100回以上サービス利用したことで、結果的に
購入者側の不満や喜びを肌感覚で知ることができました。最低でも5~10回は利用してみるといいですね。

ステップ② 大手スキルシェアサービスに販売者側として全部登録する
ココナラ、ストアカ、タイムチケットなどさまざまなプラットフォームがあり、販売するスキルや特性で相性はありますが、とりあえず全部に登録するのがおすすめ。紹介文はコピペすれば1~2時間で横展開できますし、登録にかかるコストは0円。プラットフォーム選びに悩む時間をかけるくらいなら、さっさと登録しましょう。

ステップ③ 一対一で顔を見せながら行うタイムチケットとの相性がよく実績が伸びた
これは売ってみたら気づいたというもの。自分に合うプラットフォームを見つけたらそこをメインにしていきましょう。

ステップ④ サービスタイトルはメリットを分かりやすく伝えることで申し込みが増える
たとえば「Webマーケティング指導」よりも「売れるサイトにする方法教えます!」など、
パッと見て結果がわかるタイトルが売れます。人気のサービスのタイトルを見るとほぼその法則に当てはまっていることが分かるはずです。

ステップ⑤ いいレビュー評価が入ったら、数千円ずつ値上げを繰り返す!
始めは安く設定して自信が持てたら値上げしました(1年半で時給500円~時給5000円以上に)。自分の中でどんな人なら助けられて、相性が悪いかを安く販売しているうちに見出しておきましょう。自分のサービスの対象外もきっちりと書くことで、悪いレビューを最小限に抑えられます。

ステップ⑥ サービス説明文の改善は3年で300回!
正社員なら一日8時間は仕事をしていますし、世の中の自営業やフリーランスの努力量はものすごいですよね。一方のスキルシェアは説明文改善とスキルアップくらいしかやれることがないので、空き時間にお客さんから「いいよね」と言われたことをコンセプトに加えるなど、細々とした改善を行いました。オンラインの副業は、ほっておいて勝手に売れるものではありません。一般的な商売と同じで、ある程度の時間と労力を費やすことも大切です。

ステップ⑦ コロナ禍ですべてオンラインに移行した
どうしても対面がいい人には+5000円のオプションをつけ、コロナ禍の外出の機会をできるだけ減らしました。どうしてもの頼まれ事はオプションメニューにしてしまうのも手です。

 

オンラインワーカーオススメの4つのポートフォリオ

__オンラインワーカーにオススメの働き方を教えてください
僕のオススメは以下の4つ。それぞれメリット・デメリットがありますので、自分にあった働き方を見つけていきましょう。

①業務委託型→発注者優位なので時間の余裕がなく、時給の限界がある。
②サービス提供型(ココナラやストアカ)→自由度は高いが収入のコントロールが難しい。
③SNS(TwitterやFB)→SNSに活動リンクを貼るなどすることでファンを獲得できるが、幸福度が下がるリスクも。
④WebサイトやnoteやYouTube→販促の自由度が高いが、難易度がやや高く、収入発生までに時間がかかる。

どの働き方も一長一短なのでこれらをフェーズに応じて組み合わせながら、デメリットをカバーし合う働き方にもっていくといいと思います。

 

加藤こういちさんに聞くシェアワーカーQ&A

最後は、参加者からのリアルな質問に、加藤こういちさんがアドバイス。

Q1:ライターでオンラインの副業を始める場合、単価を上げるには?
ライターの仕事は多いですが、単価が低くなりやすい傾向があります。コツは、あまり安いものばかり請け負わないこと。単価が低い案件は発注者側のフィードバックが少なく、量産型の記事であることが多いからです。多少時間がかかっても、単価が高いものに挑戦してスキルを獲得して実績を積むのも手。いい案件を取るには実績が必要です!

Q2:加藤さんが今注目している第2の収入源はありますか?
「空き駐車場のシェア」など、空間のシェアで稼ぐ手もあります。場所によっては月2~3万稼げることも。空きスペースのシェアに関しては、今はイベントよりもテレワークスペースとしての活用に需要が見込まれると思います。
他には、「宿泊スペースのシェア」は、長期滞在者向けが狙い目かなと思っています。

Q3:会社員からシェアワーカーのみにしたときの覚悟とは?
会社員経験8年の中で役職をもったこともないし実務力も平均以下。マーケティングやWebは好きでオタク気質でしたが、そんなに自分が仕事ができるとも思っていなかった20代でした。それがシェアサービスだとピンポイントで自分のオタクな専門スキルと需要が合い、いいレビューをもらえたんです。評価で言えば会社員よりもスキルシェアの方がよかった。ならば残りの30代をここにかけてみようと思ったんです。総合力のある人よりも職人気質の方がシェアサービスと相性がいいのかもしれません。会社員での明るいキャリアが見出せない場合は、チャレンジしてもいいのかも。とはいえ、独立するときはバンジージャンプを飛ぶかのような覚悟が必要だったのもリアルです。

Q4:一度サービスから離れた場合は価格を戻すべき?
注文が入らなければ値下げの戦略もありです。購入者は直近のレビューの影響が大きいので、一度価格を下げた上で、3倍くらいの価値を提供していいレビューを獲得してから価格を戻すのがいいのでは。

Q5:サービスへの自信はどの程度あればいい?
身の周りの人よりちょっと得意なら基本いいと思います。シェアエコは言い換えるとアマチュアエコノミーで、人より得意なスキルや経験を売り買いする場所。利用者も絶対に失敗できないプロジェクトなら法人に頼むので、そこそこのセミプロで安く仕上げたいというニーズはあるんです。あとは、専門スキルを磨いていけば収入が比例すると思われがちですが、実はそうでもないんです。販売スキルは60点でも購入者のスキルが3~5点の構造なので、その人にとっては60点のスキル経験でも結構助かると言われるんです。これは意外に気付かれていないことですね。いいスキルを持っているのに踏み出せないのはもったいないですよ!
サービスを提供することで自分のスキルアップにつながることも忘れずに。

Q6:実名でなくても平気ですか?
はい。大半が登録はビジネスネームでも可能なので、本名じゃなくても大丈夫です。

 


 

続いての講師は、ストアカ現役講師1位の糸原絵里香さん。
大学在学中からシェアワーカーを始め、新卒でシェアワーカーに。現在はオンライン料理教室(メイン)、民泊、TOEIC講師、家事代行などで働きながら、シェアリングエコノミー協会でも活動されていらっしゃいます。

実際にシェアワーカーは何から始めればいいのか、成功するために気を付けるべきポイントについても詳しく伺っていきます。

 

シェアワーカーとしてチェックしておくべき2つのこと

シェアワーカーになるには、以下のことをチェックしておきましょう。

1.プラットフォームを選ぶ基準
どのプラットフォームを利用するかは、以下の項目をチェックしておきましょう。
・相互レビューがあるかどうか
・本人確認機能があるかどうか(大手はある)
・相談窓口が作られているか、いつでも連絡できるか
・シェアエコ認証マークがあると安心安全

2.安心安全に利用するために
まずは利用者から始めてみましょう。安全面もサービス面も購入して気付くことが多いもの。また、シェアワーカーは一人職場になりがちなので、常に気になるサービスを利用してサービス向上をはかるのがおすすめです。

・レビューで信頼できる相手か確認する
たまったレビューは信頼の担保になります。購入者のレビューを読んで不安を感じたら控えましょう。自分が会ってみたいという人を探すこと。心配な点は購入前の質問も利用してみると安心です。

・起こりうるトラブルのことも調べておく
あくまで個人間取引なので、まずは相手に連絡をしましょう。次にサービス運営側に連絡をして指示を仰ぎましょう(保険があるプラットフォームも)。それでも解消しない場合は、消費者ホットライン188にご連絡を。

・個人間の取引を求められた場合は要注意!
プラットフォームを介することで保険適応になったり、金銭トラブルも回避しやすいので、直取引はリスクがあると覚えておきましょう。

 

シェアワーカーあるあるのトラブルとその対処法

では実際に、シェアワーカーとして働く場合に起こりうるトラブルには、どんなものがあるのでしょうか。糸原さんの経験談に基づいてお話を伺いました。

【空間シェアの場合】
清潔ではない、Wifiがつながらない、私の騒ぐとゲストの騒ぐ認識が違う、キレイの基準が違うなど、空間シェアは「意識のすれ違いのトラブル」が多いです。おすすめの対処法としては、以下の2つがあります。

*マニュアルを作っておく
お互いの分かりやすさや意志疎通を図るために、Wifiや使用ルールブックをデータではなくファイルにして現物で見られるようにしておく。

*連絡をこまめにとる
スペースシェアは特にチェックイン時入室時のトラブルが多いので、最初は立ち会うだけでもかなりトラブルが防げる。


【スキルシェアの場合】

家事代行からデリバリー、オンライン教室などさまざまなサービスがありますが、スキルシェアの心構えとしては空間のシェアと違ってモノがないということ。無形ゆえのすれ違いも起きやすいので、「何も教えてもらえなかった」と言われないために、サービス提供前のすり合わせが大切です!

(よくあるトラブル)
・内容の質がイメージと違った
・表示通りのサービスと違う
60分のところを早く終わったから45分で終えたら短いと思う人もいますし、同じサービスでもブログ用とサービス用でも違うし、料理でも健康になりたいのか子ども向けなのか、どういう気持ちできているのかを聞けるとすり合わせしやすいです。

・約束時間や納期に間に合わない
対面のレッスンだと、細切れの予約になるので、約束時間を間違えるとかなり大変です。
私はシェアエコサービスで見つけたオンライン秘書代行の人にアウトソーシングしてもらっています。

(未然防止策)
私が行っている未然防止策としては、購入する場合は、事前に相手の「仕事のキャンセル率」「ドタキャン率」、「遅刻率」などで安心できる人かを見極めておきます。
ホストとしては、「前日、当日にリマインドメール」を送るとお互いに忘れずに済みます。また、やむを得ない体調不良には、分かった時点で早めに購入者に連絡をしましょう。

 

糸原さんがストアカ現役講師1位になるためにしたこと

__オンラインの料理教室を始めたきっかけは?
コロナ禍で仕事が減り家で料理する機会が増えたので、どうせならだれかと一緒にやりたいなという軽い気持ちからでした。最初はゲスト1人とのマンツーマンや、友達が数人くらいでしたが、現在は1レッスンで同時に80人と行えるようになりました。レシピをnoteで販売、動画をYouTube配信したり、横展開でも広げているところです。

__1番人気の講座は何でしたか?
何がいいか分からなかったので、とにかく最初の半年間は、あったらいい講座を友人たちにヒアリングしてトライ&エラーを繰り返しました。
1番評判がよかったのが、「お弁当にチンしてポンできる簡単おかず講座」。理由は、コロナ禍の学童や家で食べる分としてのお弁当を作る機会が増えたからです。これは予想外でした。私はピンポイントの需要を細かく追及していきました。結果的に、オンライン料理教室には「受講料が安い」、「準備が不要」、「習熟度が高い」、「出来上がりは家族と食べられる」というニーズがあることに気付きました。

__苦労した点はどこですか?
私の場合、文章は半年で1回書き直した程度ですが、お客さんなどから聞いたことは全部取り入れて実行してサービスを良くしていきました。最初は11時~12時半までだったのですが、「子どものお腹が空くから早めてほしい」と言う声があり10時半~12時にしたらお客さんが増えました。価格も500円、700円、1000円と試したり、調味料も凝ったものから再現性のある家にあるものだけに落ち着きました。

 

糸原絵里香さんに聞くシェアワーカーQ&A

最後は、参加者からのリアルな質問に、糸原絵里香さんがアドバイス。

Q1:売れるための秘訣はありますか?
まずは、サムネイルを誰かに頼んでバナーを作ってもらうといいと思います。私はココナラで作ってもらっていますが、それだけでかなり印象がよく見えます。トップランカーの人はキャッチーでキレイでとてもわかりやすいバナーなので参考にしてみてください!

Q2:シェアサービスを提供することの良さや魅力とは?
企業のサービス(マニュアル的)よりも個人間だとその人にフィットしたものを提供できるのが魅力だと思っています。例えるなら、ファミレスで安定の味に行きたい日と個人経営の定食に行きたい日の違い?

Q3:大学院で学んだ心理学はどのように生かしていますか?
今は、ストアカでも心理学講座を出しています。心理学はたとえば参加者80人をどうやってゴールにもっていくかといった、オンライン上のコミュニケーションで活かせています。スクールカウンセラーの経験も生きていると感じますね。加藤さんもそうですが、トップランカーの方は心理学を勉強されていますよ。
個人的には、コロナ禍の今、家にいる時間も長いので、オンラインのマインドフルネス(瞑想)を朝にやったら需要があるのではと思っています。

Q4:どんなときにやりがいを感じますか?
オンラインのシェアサービスはすぐに結果が分かるので、今週始めたら来週には喜んでくれる人がいる。そのスピード感は面白いですね。

Q5:糸原さんは普段どんなシェアサービスを利用していますか?
コロナ前はスペースマーケットで、料理教室や飲み会の場所を予約してました。
最近はクラウドファンディングで飲食店の食事券(かなりお得)を買ったりも。あとは、仕事をする上での自分に足りないスキルはお願いしています。バナーの発注、動画制作、ライティングなど。できないことはプロに依頼して安心して生きているという感じです。

Q6:なんでも無料でできる時代でも有料でも人は来ますか?
私も最初はそう思ってました。料理なんて無料でレシピを見られるじゃないですか。でも、料理、瞑想、ストレッチと有料でも人は来ます。理由はコミュニケーションが取れるから。「これで合ってるかな?」とか聞けるのは嬉しいですよね。

Q7:撮影はどうしていますか?
プロフィール写真はタイムチケットなどでカメラマンさんに頼んでいます。加工も別のデザイナーさんに。レッスンの動画は別取りなので、90分固定カメラでとって編集してもらってYouTubeにあげています。ストアカではスマホで生配信しています。

Q8:スケジュール管理はどうしていますか?
私は複数のプラットフォームで仕事を始めた早い段階で、スケジュール管理やお客さんとの調整をお願いする人をシェアエコ上で見つけてお願いしています。基本はgoogleカレンダーを共有して個人的な予定だけブロックするやり方です。忙しくなってからだとルールやアカウント共有が面倒なので、忙しくなるその前にお願いするのがおすすめです。

Q9:民泊のおすすめはありますか?
Airbnb以外に、unitoなどがありますね。
民泊だと準備に数ヵ月かかるのでマンスリーで貸し出せば賃貸になることも。何で貸し出すか、清掃をどのタイミングで入れるかもポイント。必ずゲストは帰るので1人時間が欲しい人は民泊が向いているかもしれません。

Q10:利用者する場合にサービスを選ぶ基準は?
★の数だけではなく、レビューコメントも読むといいですよ。すごく感動している人がいたら気になるので(笑)。あと、各ジャンルでランキング1位の人を買ってみると「このクオリティを出せばいいのか」が分かります。他にも、自分がすごいと思っている人の紹介で買うのも手。私は加藤こういちさんにおすすめしてもらった方を試すと間違いない確率が高いです。好みもあるのでそれは数字では測れない世界ではあります。

Q11:コロナ禍でスペース貸しをするなら?
自宅兼スタジオ兼スペースマーケットで場所貸しをしているカメラマンもいますよ。スペース貸しはコロナ禍の今は難しいですが、色々試せる期間。何を求めているのかを丁寧に想像してみると、その奥にはいいアイデアが浮かぶ場合があると思います。

 

 

(グラレコ作成:シェアリングエコノミー公認アンバサダー 山岸さん