「スペースマーケット」や「スペーシー」など場所を時間貸しするスペースシェアサービスが、全国70拠点と、会社として運営する数は2018年5月時点で第一位を誇る㈱クルトンの森実勇樹さん。なんと利用者1000組を突破したスペースもあるそう。今注目を集める貸し会議室とパーティスペースを運営するコツや今後についてお話を伺いました。

__貸しスペース(スペースシェア)の運営をはじめたきっかけを教えてください

私たちの㈱クルトンが掲げるコンセプトは、“シェアリングエコノミーを面白くする会社”。これまでは、投資を目的とした民泊のホスト向けセミナーを主な事業として行っていましたが、2017年の住宅宿泊事業法(民泊新法)の成立にともない、セミナー参加者も減少していったので、そのノウハウを生かして新たに2017年から貸し会議室を柱とするスペースシェアの投資・運営というビジネスを始めました。具体的には、利回りのいい空き物件探しから部屋のインテリア、ユーザーとの予約やお金のやりとりなど。物件のオーナー様には何も手を煩わさず、利益をお渡ししていくイメージです。新しいタイプの不動産投資の形とも言えます。1年と少し経ちましたが、おかげさまで全国に70の貸しスペースを運営させていただき、全国の貸しスペースホスト数No.1になりました。このビジネスモデルの対象としては、空き物件をお持ちの方向けと投資目的の方向けの二つがありますが、ありがたいことに2018年からは投資目的の方がすごく多く、今は物件探しが追いつかないほど。スペースシェアのブームの予感を感じています。

__どういった方が利用されていますか?

弊社で現在、投資を目的とした運営のお手伝いをしているスペースシェアは、貸し会議室とパーティルームの2種類があります。貸し会議室はまさに会社の会議をする目的。ここ数年、景気が上向きなこともあり大手企業などは採用人数を増やしています。それにともない会議が増え、部屋が足りないという現象が起きているんです。また、近年増えているベンチャー企業にとっては、セミナーや会議をする部屋は自社で持たずに、その都度外で借りることでコスト削減にもつながります。
一方のパーティスペースは、誕生会からママ会、女子会はもちろん想定していましたが、ワールドカップなどのスポーツ観戦やアイドルのDVD鑑賞会やコスプレ会など趣味サークルの需要も多いことに は驚きましたね。

__スペース貸しをする上で心がけていることはありますか?

上述した通り、目的がさまざまなので、どの立地にどういったターゲットを想定した部屋を作るかは注力しますね。会議室は高品質(全てのスペースにwifi、ホワイトボード、プロジェクター完備)であることや、パーティルームはインスタ映えを意識したり、今日の2Fのようにハワイをテーマにした部屋だったりと、インテリアにも気を使います。投資をして下さる方とはそのあたりも予算に応じてプロデュースさせていただいています。


今回取材させていただいた半蔵門のスペース。1Fは会議にも使えそうなシンプルなインテリア。


タイルの床やハワイをイメージした雑貨が並ぶ2Fはリゾートライクな雰囲気。

__スペース貸しをする上で大変なことはありますか?

物件探しに関しては民泊時代の不動産業者とのコネクションがあるので問題ありませんが、オペレーションの部分が予想外に大変でした。民泊の場合は物件につき1日の利用者が1件ですが、時間貸しの会議室などは数件入るので、それぞれの方と利用目的や希望時間などを調整していくと1日でメールが200通くらいくるので、到底一人ではさばけません。今はオペレーション担当を数名設けて対応しています。あとは「道が分からない」「時間を延長したい」「掃除がされていない」といった細かな対応も必要になりますので、個人で仕事の傍らに空きスペースの運営をするのは、なかなか難しい面もあると思います。

__スペースシェアはどのくらい稼げるものですか?

物件の広さや賃料によっても異なりますが、現状ですと、会議室はパーティルームよりも効率よく稼げるイメージです。投資の場合は利回りも50%とよく、2年で初期費用を回収できるのがほとんどで、投資額も100万円以下と手頃なんです。この半蔵門のスペースも、1年間空き物件だったのですが、場所貸しにしたところ、月30万円は利益が出るようになりました。また、恵比寿で人気の30平米ほどのスペースは、場所柄、芸能事務所さんが取材などに使ってくださるので、月12万の家賃のところ利用額は40万。つまり月18万円の利益が出ているので、初期投資が2ヵ月で回収できました。

最近は、他社で投資セミナーの講師をされているようなお金のプロの方たちもシェアスペースの投資をしたいと言ってくださりお問い合わせいただくのがすごく嬉しいですね。物件を購入する投資よりも初期投資が少なくリスクが低いのが人気の理由だと思います。


最低利用時間や金額も自由に設定できます。

__今後挑戦してみたいことはありますか?

試験的に公文さんとのスペースシェアを始めている物件があるのですが、そうした法人とのマッチングにも力を入れていきたいですね。塾などの習いごとの需要はかなりあると思います。あと最近では、コンサート会場の近くで荷物を置いたりメイクやコスプレをしてライブに出かけるための控室として利用する方も多いので、ターゲットを明確にしていくと「こんな場所がこんなに儲かるなんて!」ということがあるんです。そのあたりをしっかり見極めていき、投資家さんたちに喜んでもらえる物件を見つけることですね。

__森実さんが利用しているシェアリングエコノミーサービスはありますか?

個人的には、横浜と博多のスペースシェア運営を自分のお小遣い範囲で行っています。産業医(企業などで労働者の健康管理を行う医師)の方がカウンセラースペースに使ってくださったりしていて(会社内では話ずらいこともありますよね)、そういう需要もあるんだなと。そういった実体験に基づいたリアルな運営をお客様にはお伝えしています。あとは、社用車を持たずに、カーシェアサービス「ルル」を使ったり、会社のロゴは「ランサーズ」でクリエイターさんに作ってもらったり。プライベートでは、小さな子が2人いる夫婦共働きなので「タスカジ」で作り置きをしてもらっていますし、シェアリングエコノミーは本当に身近で、なくてはならない存在です。

__これからスペースシェアを始めてみようかなという人にアドバイスを!

きっとここ数年でスペースシェアのブームが到来すると思っています。まずは利用してみてスペースシェアの便利さを体験してみるといいと思います。空き物件をお持ちのオーナーさんも、投資に興味をお持ちの方もまずはお気軽に相談してみてください!

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