シェアワーカーのコンセプトは、日本でもどんどん受け入れられ始めています。人々はシェアに基づいた生活を実行するために、シェアリングプラットフォームで、ホスト、デジタル遊牧民、独立したフリーランサー、研究者等として働いています。多くの新しい仕事のかたちが日本の社会を変えています。台湾出身のシェアワーカー、Spencer Keさんが、彼のシェアワーカーとしての経験を、Share!Share!Share!の読者の皆さんにシェアしてくれました。Keさんの体験を知ることで、未来の仕事のアイデアがどのようなものなのかを理解する助けになるでしょう。

__ご自身の経歴と、どのようにシェアリングエコノミーに関わるようになったのかについて教えていただけますか。

はい。まず少し子供時代の話から始めますね。私の両親は、私が小学生の時に離婚をしまして、その後私はいろいろな親戚に預けられて、6つの小学校を転々としました。この経験で私は、とても若いうちから、自立した生き方ができるようになり、また困難にも果敢に立ち向かえるようになりました。私はこれまで、自分が落ち着ける自分だけの「家」を求めてきたのですが、探すというよりは常に自分で作ろうとしてきました。高校生の時に、台湾の南部から台北に引っ越しました。それからは何軒も家を借りました。台北では、ルームメイトとシェアするタイプの家を借りると、リビングにはほとんど何の機能も何の使い道もない状態です。そのため、最初に思いついたのは「改装」でした。どうすればリビングを改装して、住人にとってより良い場所にできるかを考えたのです。私にとっての「より良い」というのは、手の届く金額で良い質のものを手にできるということです。

私が初めてシェアリングエコノミーに関わったのは、2〜3年前にAirbnbのホストになった時です。外国の友達が増えましたし、ほとんど全員、また台湾に来る時には、私のところに再度泊まりに来てくれました。私もゲストが住んでいる都市を訪れました。ニューヨークやロンドンなどなど。それを通して、地球は小さくて、私たちは皆繋がっているということを知りました。また同時に、私はAirbnbホストとして外国人とはコミュニケーションが取れて彼らの役に立てていましたが、地元民の役に立つにはどうすればいいのだろうか、と考え始めました。それに、ゲストにより高い価値を提供するにはどうしたらいいか、ということも考え始めました。それが発端となって、私は共同設立者とともに、9 Floorを立ち上げました。これは、共同生活型のアパートのためのプラットフォームで、台北を訪れる人により高い価値を提供できるものです。9 Floorでコミュニティーを作ることで、住人は互いに交流したり、さらには一緒に仕事をしたりする機会が増えます。9 Floorコミュニティーのシナジー効果は私の想像をはるかに超えるものでした。私がシェアリングエコノミーに関わるようになったのは、このような経緯からです。

__シェアリングエコノミーを始めてどのように変わりましたか。ポジティブあるいはネガティブな影響はありましたか。

大学を出た時には、車を買ったりしていたのですが、期待していたほどの大満足は得られませんでした。その時には、シェアすることで幸福が増す、ということがわかっていなかったのです。何かを「所有」することは必要ではありません。「必要」なのはそこから得る「価値」なのです。

21世紀において、人々は過剰生産の問題や、空間や車などのリソース不足といった問題に直面しています。先ほど述べた価値観を核にした生き方の方が、より様々な生き方を可能にすると考えています。そうした生き方はスピリチュアルな経験であり、シェアすることは私の精神を満たしてくれます。シェアすることが大好きで、またシェアされる側になる経験も大好きです!もっと旅行好きになりましたし、自分の地平線を広げ、世界を見てみたくなりました。シェアリングの経験は、私の人生の中では、終わりのない旅のようなものです。
もう1つのポジティブな例をあげてみます。私たちのところの住人には日本人がいるのですが、そのうち1人は、9 Floorコミュニティーの中で、仕事上のパートナーを見つけたのです。台北での滞在後、日本に帰って、一緒にビジネスを立ち上げたそうです。この例からもわかるように、シェアリングにはあらゆる種類の可能性が秘められていて、将来の扉を開く鍵にもなり得るということです。

__日本の読者に紹介したい台湾のプラットフォームとその理由を教えていただけますか。

9 Floor

台北に拠点を置く、共同生活型のアパートのためのプラットフォームです。9 Floorのチームは、約40の物件の改装を手がけました。それには、たくさんの古いアパート、古いホテル、公共スペースなどが含まれます。ゲストは自身の関心に合わせて物件を選ぶことができ、共同生活を経験しながらコミュニティーに参加できます。
最も大切にしていることの1つに、「青銀共居」があります。これは、高齢者が若者と一緒に住むということです。台北のほとんどの高齢者は、一戸建てなどの自分の家を持っているのですが、高齢化の問題もあり、一人暮らしがほとんどです。9 Floorのチームは、そうした一戸建ての所有者に働きかけて、家を改装し、若者が一緒に住めるようにしました。若者は、手の届く金額で、高齢者と一緒に住めます。こうして、世代を超えたコミュニケーションが可能となるのです。

USPACE

USPACEは、駐車スペースのシェアリングプラットフォームで、専用アプリとIoTスマートロックを用いて、個人所有の駐車スペースをドライバーにマッチングしてくれます。それによって、都市部での駐車スペース不足の問題が解決でき、駐車場探しに時間を取られることがなくなります。USPACEはIoTスマートロックを展開し、台北の様々な高級エリアでも駐車スペースを拡大しています。現在、500を超える駐車スペースが登録されており、2018年のマッチング件数は何万件にも上りました。

__プラットフォームをよく知らない人や使うのが怖いという人に何かアドバイスはありますか。

知らないものに対して恐怖があるのは正常です。とりあえずまず始めてみて、それから一旦立ち止まって、疑問点を整理してみたらいいと思います。新しい環境を十分に理解できたかどうか、など。少し時間がかかるかもしれませんが、未知の状況に対する恐怖は解消できるでしょう。この新たな波の背後にある理由を理解できれば、シェアリングとは未来の生き方を探る1つの道なのだとわかるでしょう。未来の生き方の答えは、シェアリングエコノミーの新たなプラットフォームのどこかに見出されるものだと思います。

__SHARING NEIGHBORSについてどう思いますか。

私も、SHARING NEIGHBORSシステムはいい考えだと思います。何か問題が起きた時、このコミュニティーがあれば、全員で解決策を見つけることができるでしょうし、それはシェアリング環境をさらに完成に近づけるものでもあると思います。

SHARING NEIGHBORS
SEAJのSHARING NEIGHBORSはシェアワーカーやフリーランサーが保険や規則などに関する情報交換をしたり、関連するイベントに参加したりする手助けを目的としており、その繋がりがシェアリングエコノミーを通して各個人のビジネスをサポートすることを期待しています。

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