日本でも、ここ数年で急速に拡大しつつある シェアリングエコノミービジネス 。Airbnb やメルカリ、Uber EATS などが代表的ですが、そもそも、 シェアリングエコノミー とはコレだ!と明言できる人は案外多くないはずです。そこで、ここでは改めて、シェアリングエコノミーの意味やサービスの種類について説明します。ユーザーとして使うのはもちろん、ホストとして 新規ビジネス の ヒント にしてみてください!
1. シェアリングエコノミーとは?
2.シェアリングエコノミーサービスの主な5種類をチェック!
3.人気のシェアリングエコノミーサービスにはどんなものがあるの?
4.シェアリングエコノミービジネス、成功の鍵を握る5つのキーワード
5.自治体におけるシェアリングエコノミーの可能性
1. シェアリングエコノミー とは?
シェアリングエコノミーとは、インターネットを介して、個人同士でモノや場所、スキルなどを取引するサービスのこと。従来のビジネスは、事業者が消費者にサービスを提供するBtoCサービスであったのに対し、シェアリングエコノミーでは、基本的に個人同士で取引をする C to C サービス。事業者はあくまでマッチングの場であるプラットフォームを提供するだけです。
2000年代後半からアメリカの西海岸で始まった Airbnb を皮切りに、欧米の先進国はもちろん、アジアの新興国でもさまざまな シェアリングエコノミー事業 を立ち上げています。 日本経済 に及ぼす経済規模を見ても、2022年度は2兆6,158億円なのに対し、2032年度には15兆1,165億円と、約7倍もの伸び率が予想されてます。(※ 一般社団法人シェアリングエコノミー協会 と 株式会社情報通信総合研究所 ( ICR )との共同で 市場調査 より)
日本にはかつて、ご近所同士で部物々交換をする シェアの文化 がありました。そこに、 インターネット が普及し、身近になった SNS を通じて、サービスを提供する人とされる人がつながることで生まれた“ 現代版の物々交換 ”が、シェアリングエコノミーなのです。
2.シェアリングエコノミーサービスの主な5種類をチェック!
シェアリングエコノミーサービスといっても、さまざまなジャンルや業態があり、シェアリングエコノミー協会では主流の事業を以下の5種類に分類しています。
- モノのシェア ( フリマ ・ レンタル など)
- 空間のシェア ( ホームシェア ・ 駐車場 ・ 会議室 など)
- 移動のシェア ( カーシェア ・ ライドシェア ・ シェアサイクル など)
- スキルのシェア (家事・介護・育児・知識など)
- お金のシェア ( クラウドファンディング など)
3.人気のシェアリングエコノミーサービスにはどんなものがあるの?
では、実際よく使われているシェアリングエコノミーサービスをいくつかご紹介していきます。
Airbnb
世界各国のユニークな 宿泊施設 を掲載することで、自宅の 空き室 を 観光客 に貸し出す 民泊 の先駆け。宿泊以外にも、世界のさまざまな体験が オンライン 、 オフライン で楽しめるサービスも充実。
スペースマーケット
スペースを貸し借りするプラットフォーム「スペースマーケット」には、全国25,000件以上のスペースが掲載されています。住宅、古民家、ワークボックス、撮影スタジオ、映画館、廃校など多岐にわたるスペースが、パーティー、撮影、会議などに利用されています。
YAMAKAS
使っていない山を活用したい山主と、キャンプ場以外で野営をしたいキャンパーのマッチングサービス。私有林の一部をプライベートキャンプ場としてキャンパーに貸し出すことで山主に収益を提供し、その収益を持って山林の整備を進めます。
akippa
月極駐車場や個人宅の車庫・商業施設など空きスペースを、時間貸し駐車場として事前予約して利用できるシェアサービス。全国に常時3.5万件以上予約できる駐車場があり、スポーツ観戦やイベント・通勤・帰省・旅行などさまざまな用途での車移動時に利用されている。
軒先パーキング
空き駐車場を事前に安く予約できるサービス。スマホから簡単に全国の駐車場を探すことができ、空いている自宅の駐車場や月極駐車場などを初期費用0円で簡単に貸出可能。
NearMe(ニアミー)
独自AIを活用した最適なルーティングで、出発地から目的地までの移動をドアツードアで結ぶタクシーのシェアサービス。全国14の空港とその周辺の都市部を結ぶ「nearMe.Airport(ニアミー エアポート)」は、これまで延べ45万人以上が利用。
ドコモ・バイクシェア
ドコモ・ バイクシェア が提供する 自転車 シェアリング ( シェアサイクル )サービス。 WEB登録 すれば、手持ちの 交通系ICカード で楽々開錠。乗りたいときに借りて、行きたい場所で返却できる、新しい交通手段。
タスカジ
掃除・料理から整理収納まで、多彩な家事スキルを活かして働くハウスキーパーと家事をお願いしたい人とをつなぐ、家事代行マッチングサービスです。家事経験や資格など自分のスキルを活かし、空き時間に得意な家事分野で働くこともできます。副業で活動する方・主婦(夫)歴が長い方も多く活躍しています。
CaSy
「大切な時間を、大切にできる時間を創る。」をミッションとする、家事代行を中心とした暮らしのマッチングプラットフォーム。家事に手が回りにくい多忙な子育て世帯を中心に、会員数は13万人以上。
AsMama
送迎 ・ 託児 を顔見知り同士で頼り合う、 子育てのシェアサービス 。 地域の親子 が出会う・ つながる 親子交流イベント など、場の提供も行っている。
ANYTIMES(エニタイムズ)
家具の組立 、 ペットの世話 、 語学レッスン など、日常のちょっとした「 困りごと 」を ご近所サポーター が解決してくれるサービス。 得意分野 を活かしながら、用事を依頼したい人と仕事をしたい人をつなげる スキルシェアサービス 。
ココナラ
「知識・スキル・経験」を売り買いできるスキルマーケット「ココナラ」
デザイン、イラスト、Webサイト制作、動画・音楽制作、ライティングなど『制作系』に加え、ビジネス・マーケティングなどの『サポート・代行』から、美容・ファッション、キャリア相談などの『相談系』まで、多彩なサービスを売り買いすることが可能です。法人向け機能も充実しており、ビジネスからプライベートまでシーン問わず利用できます。また、サービスの出品・購入に加え、お願いしたい案件の募集・提案もできるなど、幅広いニーズに対応しています。
aini
ainiは「人と人をつなげ、夢中で満たす」というミッションのもと、体験を売りたいホストと買いたいゲストをマッチングするCtoCマッチングプラットフォームです。ホストの個性が光る体験は既存のツアーでは感じる事の出来ない魅力に溢れています。
ストアカ
https://www.street-academy.com/
ストアカは、教えたいと学びたいをつなぐまなびのプラットフォームです。あらゆる方が安心して質の高いレッスンを受けられるサービス運営を目指しています。学びたい方は、趣味やビジネススキルなど多様なジャンルから学びたいものを1回から気軽に学べます。教えたい方は、自分のスキルや経験を教えるレッスンを自由に開設できます。
Laxus(ラクサス)
エルメス、シャネルなど60ブランド4万種類のブランドバッグが交換自由で使い放題になるサブスクリプションサービス。本当に良いモノを大切にメンテナンスしながら、必要な時に必要な人がシェアして使う。サステナブルにもっと自由なファッションの楽しみ方を提供します。
airCloset(エアークローゼット)
プロのスタイリストがコーディネートしたお洋服が自宅に届く、月額制ファッションレンタルサービス。50項目の質問から導き出されるスタイリングカルテをもとに、様々なジャンルから、あなた好みの、あなたに似合うスタイルをご提案します。
アイカサ
アイカサは“雨の日を快適にハッピーに”と“使い捨て傘をゼロに”をミッションにした傘のシェアリングサービスです。突発的な雨にもビニール傘をその都度購入せずに、駅や街中で24時間70円で利用できる丈夫なアイカサを借り、雨が止んだ際には最寄りの傘スポットに傘を返却することで手ぶらで便利に移動ができるのが特徴です。
CLAS
1点月々440円(税込)から必要なときに必要な家具と家電がレンタルできる、サブスクリプションサービス。「数ヵ月だけ必要」から「あんな部屋に住みたいな」まで、暮らしを気持ちのままに替えられます。
ソトリスト
日本最大級のキャンプ用品専門のシェアリングサービス。
約1.800点以上の道具の中から、必要な道具を1点からでも簡単に予約できます。レンタルで本格的なキャンプをいつでも楽しめるアウトドアの新しい選択肢。
CAMPFIRE
プロジェクトや企画次第で個人から 資金を調達 できるお金のシェア。 CAMPFIRE は、テクノロジー、飲食、ファッション、音楽、アート、映画、ゲームにアニメなど、掲載件数は32,000件以上を誇る国内最大の クラウドファンディングサイト 。
4. シェアリングエコノミービジネス 、成功の鍵を握る5つの キーワード
上記で紹介したようなシェアリングエコノミーサービスには、いくつかの共通点があります。そんなシェアリングエコノミービジネスの成功のカギを握る5つのキーワードをまとめました。今後のビジネスの参考にしてみてください。
1.社会の課題解決を目指すこと
少子高齢化 、超高齢化 などの 社会課題 は、企業、自治体の課題でもある。そんな社会の 課題解決 を目指すシェアリングエコノミービジネスが、昨今の主流となっています。
2.買うより借りる時代へ
特に若い世代の人たちの中では、車も家も自転車も洋服も レンタル が当たり前に。モノを勝って所有するよりも、共有する方がお得という価値観になっていると言えます。
3.助け合いの精神
東日本大震災 以来、 ボランティア活動 に参加する若い世代が増加傾向。シェアリングエコノミーを支持する人たちには、助け合いや分かち合いの精神が強くあるようです。
4.つながる ビジネス の可能性
自社だけでは限りがある今、ビジネスの世界では、業界や組織の垣根を超えた連携やコラボなど、他社や個人とつながる(マッチング)ことで、新たなビジネスを生み出しています。
5.組織を超えた個の力
副業も解禁になる会社が増え、改めて企業や組織の中での個人の力が注目されている。組織の中で個人にファンが付くなど、個人の力をサポートするようなシェアリングエコノミーも増えつつあります。
5.自治体における シェアリングエコノミー の可能性
シェアリングエコノミーは企業の ビジネス だけではありません。 少子高齢化 や 人口減少 、 子育て ・ 教育環境 の未整備など、日本の都市は多くの問題を抱えています。そうした自治体がシェアリングエコノミーサービスを活用することで、住民が公共サービスや災害時の物資をスムーズに受けられたり、雇用支援 や 財政負担 の軽減につながるなど、 地方創生 の解決の糸口として今注目を集めています。
「シェア」という概念を導入することによって、公助を「共助」で補完し、サステナブルな自治体を実現しようとする試みのことを”シェアリングシティ”と呼び、2020年7月に設立されたシェアリングシティ推進協議会には、2024年6月時点で170以上の自治体が加盟しています。