先日開催された『SHARING DAY SHIBUYA 2018』の会場内で行われていた、ファッション×シェアをテーマにしたイベント『SWAQ PARTY』。イベントの参加条件は、誰かに譲っても良い服や小物を持ってくること。自分のアイテムにメッセージを書いたタグをつけて提供すれば、会場内に置かれている別のアイテムを持ち帰ることができるという仕組みだ。眠っていたモノの交換を通して参加者同士の交流を生み出し、価値を受け継いでいく場となった当イベント。主催グループ「SWAQ TOKYO(スワックトーキョー)」の代表・千々岩佐知子さんに、お話を伺いました。

―『SWAQ』を始めるようになったきっかけから聞かせてください。

「昔から服が好きで、家にはたくさんの着ていない服がたまっていました。捨てるのはもったいないし、必要な人がいたら譲りたいと思っていたんです。そんなときに、海外でスワックパーティという洋服の交換パーティーが流行っているというのを雑誌で知って、やってみようと思いました。せっかくやるなら交換するだけでなく、音楽やフードなども織り交ぜて、様々な人が気軽に交流できる場所にしたいと思い、今のような形になりました。」

―これまでどんな『SWAQパーティ』を開催してきたのですか?

「2011年から活動を始めて今回で11回目になりますが、コンセプトは毎回違います。最初に下北沢タウンホールで開催した時は、地域の人たちにも協力してほしいと思い、下北沢にオープンしたばかりのカフェにケータリングをお願いしました。当日は、手作りパンケーキやワインなどを楽しみながら参加者がゆっくり滞在できる空間に。別の回では、六本木のフラワーショップでお店のプロモーションを兼ねて開催したり、夜の原宿でDJやBARを入れた若者向けのイベントにしたり、子供服をテーマに開催したこともあります。

上野桜木にある大正4年築の平櫛田中邸をお借りしたときは、和文化と国際交流をテーマにしました。着物の交換や、茶道体験、和菓子作りや尺八の演奏などのワークショップも行い、楽しんでもらえたと思います。

今年に入ってからはフードロス(食料廃棄)問題が気になり、『ファッションと食のスワックパーティ』も開きました。服だけでなく、家に眠っている食材を持ってきてもらい、シェフに料理をしてもらうというものです。青山のCOMMUNE 2ndで開催したときは、ライブやDJあり、映画の上映やBBQもありで、フェスみたいでした。世界的なエシカルファッションの団体「FASHION REVOLUTION」とのコラボもしましたし、様々な角度でイベントを試みています。

―やってて良かったと感じるのはどんなときですか?

「参加者の方々から『自分の持ってきたアイテムが誰かにもらわれていくのを実際にみると嬉しいね』と言われた時ですかね。そこはぜひ体験してもらいたいなと思うところなんです。損得じゃなく、自分の行動で誰かが喜んでくれるのは実際に見れるって、スワックに参加しないと体験できないことだと思うので。
あと、持ってきた服にメッセージを書いたタグをつけて並べれば、会場内の服を自由に持って帰れるんですけど、いくつか選んでタグを見たら同じ人だったってこともあります。そうすると、誰が私の好みの服をいくつも持ってきたんだろう?って気になるじゃないですか。そんなときは、私が持ち主を知っていれば、紹介することもあります。そこで人と人がつながるのも面白いんですよね。ただ交換するだけでなく、そこに人が集まって、交流できる場を作っていきたいです」
 

―『SHARING DAY SHIBUYA 2018』ではご自身でDJもされてましたよね?

「はい、もともと音楽が好きなので、DJもしつつ、SWAQの活動もしつつ。でも普段は月~金で会社員として働いています(笑)」

―ええっ!? 驚きです(笑)。

―スタッフのみなさんが着ているTシャツもお洒落ですよね。

「ありがとうございます。イラストは、アーティストのChonmaruさんに描いてもらいました。フォントはみんなの好みを聞いて、デザインは自分でしました」

―ファッション好きなこともすごく伝わってきます。

「私自身、いろんな服を着ますし、必ずしもスワックパーティで持ち帰ったものばかり着るわけではないです(笑)。交換してリサイクルすることも大事ですが、買うことでよりファッションを幅広く楽しめるという風にも考えています。ただ、大事に使いたいと思えるものを購入するようにはしています。」

―今後はどのように展開していく予定ですか?

「イベントだけでなく、インターネットを利用した展開も考えています。ネットなら場所や時間に関係なく来てもらえるし、国境もなくなりますよね。そうなると世界中でモノを通じた交流ができるかなと。日本の子のいらないものがフランスの子には喜ばれたり、その逆もあれば、インドやアフリカの女子高生がどんなものが好きなのかもわかったりしたら楽しそうだと思いませんか?簡単に捨てるのではなく、譲ったり譲られたりすることで、感謝してモノを使えるようになったら嬉しいです。そんな、モノの有効活用が世界規模でできて国境を越えた交流ができたらいいですね。あとは、イベントで残った服を使ったリメイクにも興味があります。グループメンバーも募集中で、SWAQの活動に興味があって、コンセプトに共感してくださる方はぜひご連絡ください!」

―次回のイベントは決まっていますか?

「具体的な日にちはまだ決まってはいないのですが、イベントの情報は、ホームページやSNSに掲載しますのでそちらをぜひチェックしてみてくださいね」