旅行先で地域の暮らしに飛び込んで、そこにしかない時間を共有する。
そんな体験ができるのならば、旅はもっと深く、色濃いものになるでしょう。
今回ご紹介するのは、それを現実にしてくれるWEBサービス「TABICA(たびか)」です。
「地元の人の住処に旅する」をコンセプトにしたTABICAは、地元の方に直接案内してもらうことで、検索では出てこないディープな体験をできるというもの。わずか半日でできる旅が満載なので、なかなか旅行に行けない方でも、短時間で充実の時間を過ごせるそう。
TABICAにあるのは、地元の方が選りすぐって考えた、その土地ならではのプランばかり。農業体験、シルバージュエリー作り、街歩きと、種類豊富な旅が用意されています。
今回は、畑で収穫をしながら旬の芋煮を楽しめるという、農業体験型旅行に参加してみました!
都心から50分で田舎へ。
旅の目的地は、横浜から20分、渋谷からでも50分ほどと、都心からもそう遠くない神奈川県・十日市場駅。駅から歩くこと5分で、視界いっぱいにのどかな田園風景が広がります。
「スローな農園 完全無農薬 虹色菜園」と看板を掲げた小屋が見えてきました。ここが、今回お世話になるホスト・木下亮英(きのした・あきひで)さんの畑「虹色菜園」です。
現在は農家として生活している木下さんですが、定年退職前は、衛星通信のエンジニアとして、40年もの年月を仕事に捧げてきたそう。都会で忙しい日々を送るうちに穏やかな農的な暮らしに魅了され、定年退職を機にこの虹色菜園をはじめました。
「ここでは、アウトドアで楽しめること全部をやりたいと思っているから」とほがらかに言う木下さん。
その言葉通り、芋煮以外に炭火焼バーベキューや燻製の用意もされていました。子供のころに体験した農業体験とは、一味も二味も違った旅になりそうです。
TABICAでの日帰り旅行、はじまります!
今回ご一緒させていただいたのは、こちらのみなさん。以前参加したお二人が、友人を連れて再び遊びに来たのだそう。
「今回のように20代半ばの参加者もいれば、家族連れの方や30代前後の男女グループでの参加者が多いですね。年齢も職業は違っても、一緒に農業体験をし、様々な楽しみを探っていくうちに、気付けば親しくなっているようです」(木下さん)
さっそくふるまわれたのは、80度以下で45分間、じっくりと時間をかけて焼き上げた、出来立てホクホクの石焼き芋。ウェルカムドリンクならぬ、ウェルカム石焼き芋の登場です。
手前にある肌色〜ピンクがかった色のサツマイモが、お菓子などによく使われている安納芋。スイーツ業界でも引っ張りだこなだけあって、バターも砂糖も生クリームも使用していないのに、もはやスイートポテトです。生キャラメルのような濃厚な甘みに「なんだこれは!」「うまい、うますぎる」と、出だしから胃袋をつかまれる参加者たち。
続けて木下さんが見せてくれたのは、3種類のカラフルな大根。左側にあるのは、皮が白色で中が紫ピンク色をした、鮮やかな紅心大根。中央にあるのが、皮が赤ピンクで中は白色のレディーサラダ。フォルムが似ていることもあり、パッと見は人参のようです。最後に右側が、皮も中も緑色をした青大根。全体的に太めのフォルムが特徴です。
こちらは彩りが華やかな食用菊(もってのほか)の酢漬け。もってのほかは、この食用菊の名前のこと。なんでも、「天皇の御紋である菊の花を食べるなんて、もってのほかだ」とか「もってのほか(想像以上に)美味しい」と言われることから、この名前がつけられたのだそう。
農業体験型旅行のメイン?野菜の収穫を体験
虹色菜園の土を手に取れば、都心で見る土との違いは一目瞭然です。触ってみるとフワフワと柔らかく、思わず座り込みたくなってしまうほど。
「堆肥を撒くと、微生物が土の中に小さな空気の玉を出すんです。それが、この柔らかい土の秘密。ここまでなるのに、8年かかりました」(木下さん)
木下さんがたくさんの時間と愛情を注いで育てたサツマイモを、いよいよ収穫です!長い長いツルをかきわけ根元をたぐると、ごろごろとサツマイモが姿を現しました。
これは紅あずまという品種で、どんな料理に使っても相性が良く、木下さんも一番のお気に入り品種なのだそう。こうして野菜の舞台裏を見ることで、食への関心が深まり、野菜の見方も変わってきますね。
お次は、芋煮に使用するネギを収穫!引き抜こうとすると、茎からぬめりのある水分が出てきました。なんでも、この水分が美味しいネギの証拠なのだとか。
木下さんがシャベルで土を掘り返すと、コロコロとジャガイモが出てきました。これは、秋ジャガの西豊。ベージュ色の皮はサラッとしていて、凸凹も少なく美しい品種です。
ジャガイモを掘り返すうちに、カナブンの幼虫を発見。
このほかにも、カブトムシの幼虫が出てくることもあるそう。虹色菜園の土は栄養分がたっぷりなので、驚くほど大きいカブトムシに成長するんだとか。夏はにぎやかになりそうですね。
ふだんは虫が苦手な参加者も、畑で見る虫は不思議と平気のようでした。コンクリートの上で見る虫と、土の上で見る虫は、また違って見えるという新たな発見です。
畑でアウトドアを存分に楽しむ
水道の通っていない畑では、こちらの水洗い場で野菜や手を洗います。いつもの当たり前から少し離れれば、こういった何気ないことにも、限りある資源の大切さを感じることができます。
野菜を収穫したあとは、炭火焼バーベキューにうつります。採れたてのネギそのまま焼き場に乗せ、出来上がったのがこちらのネギの真っ黒焼き。こんがりと焦げた黒い部分を除いていくと、白い中身が顔を出します。甘くトロトロに仕上がったネギを、お塩を付けていただきます!
こちらは、木下さんオススメのしいたけの焼き物。
日本酒を霧吹きで満遍なく振りかけ、いい頃合いになったら醤油を数滴たらしたり、岩塩を削ったりとそれぞれお好みで味付け。アツアツ、ジューシーで、プリッとした歯ごたえもたまりません!
そしてこの旅で最も心をわしづかみにされたのが、チーズ、かまぼこ、ウインナーの燻製。こちら、フライパンと燻製チップ、網があればできるとのことで、サクッとつくってくれた木下さん。これさえあれば、どこでも美味しくお酒を飲める気がします。
同時進行が鍵?どこにいても充実の体験を
焼き物や燻製を楽しみつつも、メインの芋煮は進行中です。この同時進行も、半日という短時間で田舎を味わってもらうための工夫のひとつ。
東北名物として知られている芋煮ですが、地域によってその味付けや具材も異なってくるそう。
「前回は仙台風にしたので、今回は醤油ベースの味付けに牛肉をいれた、山形風をつくってみましょう」(木下さん)
木下さんが考案するのは、どんな人が来ても楽しめるよう、その日の気候や参加者に合わせて工夫された旅。だからいつ来ても楽しめると、リピーターの方にも評判のようです。
里芋、牛肉、椎茸、ゴボウ、そして収穫したばかりのネギを入れて一煮立ちさせたら、芋煮の完成です。採れたてのネギはまた格別の美味しさで、ネギを探し求めてアグレッシブになる参加者たち。
肌寒い野外での旅でしたが、温かい芋煮、アツアツの焼き物、香ばしい燻製に楽しいおしゃべりが加わって、いつの間にか寒さも忘れていました。
TABICAで第二の故郷を見つけよう
収穫したたくさんの野菜をお土産にいただいて、木下さんの暖かさに満ちた旅はこれにて終了です。
時刻はまだ15時。わずか4時間の旅でしたが、現地に住む木下さんとふれ合い案内されることで、第二の故郷のように深くこの地域を知ることができました。
このほかにも、TABICAには様々な旅が用意されています。
世界に一つだけ!こだわりの料理グッズが欲しいなら…
【木工DIY】にチャレンジの旅!台所まわりの普段使いのモノ【しゃもじ・鍋敷き】から、まずは木で作ってみよう!
ふだん何気なく使っているしゃもじや鍋敷き。買ってしまえばなんてことないものですが、自分でつくったアイテムだからこそ、感じ取れるものがあるDIY旅行。家ではなかなかできないDIYを可能にする、TABICAならではの旅行です。
初めてが盛りだくさん!自然の恵みに触れたいなら…
【石臼もちつき大会】畑でトラクターにも乗れる!?野菜を採り・お米をかまど炊き・お餅をついて食べる旅!
これだけのことを一度に体験できるなんて、なかなかないのでは?トラクターに乗ったり、かまどでご飯を炊いたり、明治時代の石臼で餅つきをしたりと、まさに農家さんの暮らしを体験できる旅。とにかく自然を謳歌したい!という方におすすめです。
今回は、たった半日で、いつもとは違う時間の流れを感じ取れるという、TABICAでの旅をご紹介しました。
いかがでしたか?都会での慌ただしい時間に疲れたら、快く迎えてくれるホストのいる田舎で、ゆったりした時間を過ごしてみるのも良いかもしれませんね。いまなら特別クーポンもあるようです!
ぜひ、試してみてくださいね!
地域の暮らしを旅する「TABICA(たびか)」
https://tabica.jp/
木下亮英 – 地域の暮らしを旅する「TABICA(たびか)」
https://tabica.jp/travel/79
(構成・宮田愛子/写真・七咲友梨/編集・古屋悠)