2019年10月30日 渋谷のsubaCOにて、シェアリングエコノミーとサステイナビリティをテーマに研究をされている、東京大学大学院 工学系研究科の天沢先生とのコラボ企画を実施。「シェアリングエコノミー × 持続可能性」について考えました!

シェアリングエコノミー × 持続可能性 について研究する天沢先生

まずはじめに、 天沢 逸里(あまさわ えり)先生より今回の開催に至るまでの経緯の紹介。

学生時代に植林やゴミ広い活動に参加し “技術で環境を救いたい” と思ったことをきっかけに、現在は「環境技術評価」「持続可能なライフスタイルの考案」「環境ビジネス」の研究をされている天沢先生。

その中で「どのようなモノを所有からシェアに変えたら環境に良いのか?」ということが学術的に実証されたとしても、“果たして消費者がそれをシェアしたいと思うのか?” ということを疑問に思ったそうです。


(ちなみに海外の人とディスカッションをすることも多い先生が良く話題に出すのが、傘のシェア「アイカサ」だそうです)

所有よりも シェアしたい方モノ or 抵抗のあるモノ

まず、参加者は興味のあるカテゴリーを「モビリティ」「家電」「被服・服飾」の中から一つ選び、3つのグループに別れてワークショップを行いました。

それぞれ「所有せずに借りたい(シェアしたい)モノ」は黄色のポストイット。「シェアしたくない、所有していたいモノ」はピンクのポストイット。そこからさらにその「理由」を緑のポストイットに記入。最後にチームの代表者が、あったらいいなと思うシェアリングサービスについて発表しました。


最初の発表者「被服・服飾チーム」がシェアしたいアイテムとして上げたのは、“イベント時の服”。

ディズニーシーで働いていた発表者は当時、閉館の30分前にも関わらず、女子高生がみんなでお揃いのコスチュームを購入していたのを見たことがあったそうです。他にも、野球やラグビー観戦などのユニフォームも同じく時しか着ない…。だけど何よりみんなと同じ服で楽しみたいという「体験」や「写真映え」に価値を感じる、今の時代ならではの意見でした。


次に「モビリティグループ」が上げたのは、いずれシェアサービスとして登場しそうな、ドローン、高級リムジン、気球、潜水艦など、主にレジャー時に楽しむサービスをまとめてパッケージ化するというアイデア。

その他にも、バスの稼働時間に注目し、朝と夕方に稼働する幼稚園の送迎バスと、夜行バスをシェアしたら良いのでは?という意見も興味深かったです。


最後の家電グループが上げたアイテムは、赤ちゃんをあやすアイテムとして使われるベビーベッドのメリー。

一瞬しか使わないからシェアしたら良い、という理由だけでなく、物語も一緒にリレーするというアイデアを発表。

例えば “おばあちゃんに出産祝いでプレゼントしてもらったから”というように、人は物語があるモノを手放したくないという心理に着目。だけど “このメリー使ってた子が音楽家になりましたよ! ” なんていう一言を添えると、不思議とわらしべ長者のように繋がれば繋がるほど価値が上がる…。そんな素敵なアイデアでした。

製品特性×環境負荷の関係性から、シェアが解決できること

そして、天沢先生が日頃研究されている「シェアリングエコノミー とサステイナビリティについて」も、発表頂きました。
まず、製品の一生を 「生産→流通→(消費者に渡り)使用・メンテナンス・廃棄 」と分類し、どの段階で一番エネルギーを消費しているのか、分析結果を共有。
大体の製品は生産段階が一番エネルギー消費が大きい。だからこそ、単独所有からシェアリングすることによって、
環境負荷削減が見込めるそうです。
先生の学会発表は1〜2年後を予定されているそうで、引き続き利用者からヒアリングする機会は欲しいとのこと。

シェアリングエコノミーとサステイナビリティの研究に興味ある方はぜひご連絡ください!