「この体験が、旅になる」をコンセプトに暮らしを体験として提供するTABICAが主催するGRID HARVEST FESTIVALに参加してきました。今回紹介するTABICAのホストは、色彩豊かに織りなす組紐ハンドメイドの世界を広める、高橋美登里さんです。津久井紐に出会って以来、その魅力に引き込まれ「この美しさ」をもっと広めていきたいという想いのもとイベント作りをしている高橋さんにお話を伺いました。

ーーいつから組紐作りを始められたのでしょうか。

始めたのは去年の暮れです。

ーー組紐を始めた経緯について教えてくれませんか。

組紐を始める前から、仕事で着物の着付けを教えていました。着物を着る時には、帯締めをする必要があります。イメージに合う市販の帯締めが見つからない時などに、「自分で作ってしまおう!」と思って、細い紐を手で組んで帯締めを作っていました。そんな時、偶然、地元相模原の”津久井紐”に出会いました。
津久井紐は、単色の紐だけでなく、1本の紐に何色もの色糸を使って作られているカラフルな紐もあります。その紐を、単色の紐に混ぜて組むことで、考えられる色のバリエーションが格段に広がっていきます。

ーーTABICAではどんな体験を提供しているのでしょうか。

津久井紐を材料にして、誰でも簡単に始められる組紐体験を企画しています。帯締めに限らず、かんざし、ピアス、鼻緒飾りのような毎日身に付けられるアイテムを実際に自分で作ってみるというものです。
まず、花の色選びをします。一般的なお店で販売されている紐は一つにつき一色なのですが、津久井紐はいろんな糸を使って紐を作っています。全部100種類ほどあるとされていて、作品を彩る多様な種類があります。ベースの色を選んだあとに、組み合わせを考えていきます。その人の感性によって、思いも寄らないような色を表現でき、こうした色を選ぶ工程を楽しんでもらいます。
紐選びをしてもらった後に、いよいよ組紐作りに取り掛かっていきます。
紐は多ければ多いほど難しいです。2本で組紐を作れるけど、3本使うと途端に難しくなり、終わりそうもないと嘆いている人もいます。
体験で出来上がるかんざしは、洋装、和装を問わずにアップのヘアスタイルにピッタリ似合いますし、着物の帯に挿せば帯飾りにもなります。鼻緒飾りは、ヘアゴムにしたり、エコバッグなどをまとめてワンポイントにできます。自分で作った和のアクセサリーでおしゃれを楽しんでもらうようにしています。

ーーTABICAを通じて、どうして津久井紐を広めようと思ったのでしょうか。

津久井紐をやり始めた頃に、津久井のある施設で凶悪な事件が起こりました。ニュースにも大々的に取り上げられて、世間では「津久井はあの凶悪事件が起きた場所」として噂が広まるようになりました。そこで、地元津久井の良いところをもっと広めていきたいと思うようになりました。
津久井紐は歴史がある、素晴らしい産物です。紐だけでも綺麗なのに、これを組んでいくともっと綺麗な作品になるというのを多くの人に知ってもらいたいと思ったからです。

ーー色の組み合わせ次第でオリジナルの組紐を作れるんですね。

ワークショップでは、実際に組紐を組んでいる時間よりも、紐を選ぶことに時間をかけてしまう方もいらっしゃいます。津久井紐の楽しさは、紐を選ぶことにもあります。実際に、着物を普段着ないような方でも組紐であれば普段の生活に取り入れられます。この組紐体験から、津久井紐だけでなく、着物や日本文化全般に興味を持っていただけると嬉しいですね。

ーーこれからホストをやってみたいと考えているけど、まだ最初の一歩が踏み出せていない方々に向けてアドバイスをいただけますでしょうか。

特にやり初めの頃は、「もっと世の中にたくさん凄い人たちがいるのに、私なんかが教えて良いの?」と思っていたので不安でした。(笑)しかし、組紐体験を好きでやっていて、これを広めていきたいという強い想いがあれば自然と上達していきます。なので、チャンスがあれば迷わずやってみることをオススメします。
イベントを企画する時は「自分が誰よりも楽しむ!」ことが上手くいく秘訣です。自分が楽しんで体験を提供していれば、その「楽しい」気持ちが参加者にも伝わって満足度の高いイベントになるのではないかなと思います。

この記事の登場人物
  • 高橋美登里
    着物教室を運営。イメージに合う市販の帯締めが見つからない時に、細い紐を手で組んで帯締めを作っていたところ、偶然、地元相模原の津久井紐に出会う。津久井紐に出会い、組まれてゆく組紐の美しい幾何学模様に可能性を感じて様々な組紐小物の制作を始める。
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