TABICA 事業部長の原田 祐二さん

ガイドブックでは見つからない「いま、ここ、でしかできない地域体験」ができるシェアサービス「 TABICA 」。今回は、事業部長である原田さんに、 TABICA の魅力や、新たなプロジェクトについてもお話を伺いました。

__TABICAのサービスについて教えてください。
TABICAは、自分の好きなことを体験として企画・開催する「ホスト」と参加する側である「ゲスト」を繋げる体験シェアサービスです。地元ならではの視点で開催される体験は、大手旅行会社では味わえないユニークなものばかり。料金も平均3,000円程、時間は2~3時間、現地集合&現地解散と、とても手軽なのもが多く、最大の魅力は誰でもホストになれることです。

__原田さんはTABICAで、どんなお仕事をされているのでしょうか?
元はプログラマーとして技術開発部で仕事をしていたのですが、その後 TABICA 事業部に移籍してマーケティングや営業とさまざまな役職を経験し、今は事業部のリーダーとして統括する立場になっています。

__TABICAのキャッチコピーが「みんなの好きを体験しよう」にシフトした経緯を教えてください。
当初は、旅をコンセプトに、「その地域でしかできない体験や暮らすように旅をする」といった、遠方の体験が多かったのですが、4年経った今では、ホストの数も増えてきて、鎌倉街歩き、野毛の飲み歩きといった都心から近くてより身近な体験が増えてきたんですね。私達が本当にやりたかったことは会社のミッションでもある「人と人をつなげる」というところにあるので、旅だけにこだわらず、それぞれのホストが「好きなこと」をシェアし、そのことを通じて新たな出会いを創り出す体験をというコンセプトにシフトしています。

TABICA 事業部長の原田 祐二さん

__TABICAはどんな人が利用していますか?
20代から70代まで、利用世代は幅広いのですが、一番の利用者は、実は40代女性なんです。子育てが一段落してきて、新しい好きを見つけたいと言う方が多いんですね。一人で参加される割合も多く(58%)、一人で参加しても楽しめる体験が多いのもTABICAならではの特徴だと言えます。たとえば、マンホールが大好きな方がレクチャーする「マンホール解説街歩き」など、ちょっとマニアックなものや、「はじめての相撲観戦ツアー」といったビギナー向けの解説付き体験が人気です。詳しい人と行けば、初めてでも抵抗なく参加できますし、好きになるきっかけになりますよね。2020年はオリンピックもありますし、マニアックな種目観戦ツアーガイド、なんかも需要があるのではないかと考えているところです。

__原田さんご自身でもTABICAのサービスを利用したことはありますか?
もちろんです。子どもがいるので、家族で「うなぎのかば焼き作り体験」なんかにも行きましたね。家族みんなでちょっと変わった体験ができるのもTABICAの人気コンテンツのひとつです。たとえば、フランス人の農家「アレックス農園」さんが、英語で教える自然教育体験は、お子さんがいるご家庭にすごく人気がありますね。

「アレックス農園」さんの「英語で自然塾」丸太からスウェーデントーチ作り、ダッチオーブンの料理「アレックス農園」さんの「英語で自然塾」丸太からスウェーデントーチ作り、ダッチオーブンの料理

___ホスト側もやられたりするのですか?
はい。僕はヨットが趣味なので、仲間と一緒に三浦半島の三崎でヨット乗り体験のホストをしています。ホスト側をやってみて思ったのは、「価格設定とホスト側が何を面白いと思ってやるかのバランスが大事だな」ということ。価格は500円でいいから、ゲストの方と一緒に楽しみたいのか、高いお金をもらって最高のおもてなしをしたいと思うかは、ホスト次第なんです。

__古民家シェアハウス「あえり庵」も運営されているんだとか?
プライベートで、ヨット仲間と三崎で古民家シェアハウス「あえり庵」を運営しています(https://www.aerien.jp/)。テーマは「GIVE&SHARE」。家具も生活備品も自分たちで足りないものを持ち合うスタイルで、メンバーの多くはヨットが趣味の2拠点居住者です。都心から離れているシェアハウスでは、遊びの要素がないと、そこに住むきっかけにならないじゃないですか。「家×遊びのシェアハウス」という、僕の中での実験的な試みですね。

__最近注目している体験やホストの方はいますか?
TABICA に登録するホストの方は、ほとんどが他にお仕事をされていて、週末や空いた時間に好きな体験を主宰する副業スタイル。「野毛ではしご酒」として大人でディープな神奈川県野毛の穴場店を案内されている、人気ホストYamageさんも普段はOLさんなんですが、他のホストたち9人と「 TABICA デー」というイベントを2月15日に主催することになって。TABIACのホスト同士でそうした動きを自発的にしてくれるのは面白いなと感じています。

 TABICA 事業部長の原田 祐二さん

__TABICA の今後の課題や目指すことがあれば教えてください。
地方での体験をどう広げていけるか。「こんな場所でこんな体験できるなんて、 TABICA じゃないと絶対来なかった!」という地方の面白い体験をどんどん開拓していきたいですね。そのために、2019年から新たに「 TABICA の地域コーディネーター」という役割を作ったんです。地方に住むおじいちゃんおばあちゃんたちと TABICA のパイプ役となって、体験を取りまとめたり、予約管理をしたりするのですが、彼らの活躍は今後、さらに重要になってくると感じていますね。

__昨年は、中国電力など大きな企業との提携もありましたが。
やはりインターネットが届かないような場所にこそ、面白い体験が眠っているので地元の方と既に繋がりのある企業さんと連携しながら体験発掘をしていくのは重要なことだと考えています。既に取り組んでいる小田急電鉄さんやJR東日本さんもそうですが、今回新たに中国電力さんとの提携によって、西日本の面白い体験を発掘し、地域コミュニティの活性化を実現していきたいですね。

__最後に、これから TABICA のホストに挑戦してみたいと考える読者にメッセージを。
好きなことを誰かにシェアすることは、ありがとうを言われる機会が増え、人生が豊になること。お金をいただいて体験をシェアするのは、最初は緊張するかもしれませんが、まずは気軽にトライしてみてください。TABICA の世界観に共感してくださる方をお待ちしています。