長野県塩尻市の特任CCO 千葉憲子さん

㈱ガイアックスの社長室兼コミュニティディレクターの千葉さんは、この度 副業 として 長野県塩尻市の特任CCO ( 最高コミュニケーション責任者 )に就任した。二児の母でありながら、会社の仕事と 副業 、さらにプライベートでもさまざまなコミュニティを運営しているとという。そんな千葉さんの暮らしや働き方についてお話を伺ってきました。

 

__本業であるガイアックスでは、どんなお仕事をしているのですか?

ガイアックスは2018年に転職してきましたので、今年で2年目になります。仕事としては、社長のスケジュールや関わるプロジェクトの調整PR、会社のファンを作るコミュニティ運営、さらには会社の投資先をチェックしたりと多岐に渡ります。

前職が大手の専門商社だったのですが、当時はまだ女性のキャリア進出が叶わない環境で。子育てとやりたい仕事を両立できる会社へ移りたいという思いで、ガイアックスに転職しました。

小さな子どもがいると、特に雨の日などは、レインコートを着てママチャリで保育園へ送り届け、びしょ濡れで出社。会社に行くだけでぐったりしてしまいますが、「私は雨の日は会社に行きません!」と宣言しているので、そんなストレスもありません。結果さえ出せれば自己責任で自由に働き方を選択できる環境は本当にありがたいですね。

 

__現在、千葉さんは二拠点生活もされているそうですね

元々長野出身なこともあり、自然豊かなところで伸び伸びと子育てがしたいという思いはありました。幸い、今の会社はパソコンがあればどこでも働ける環境なので、神奈川と長野のゆるい二拠点で生活しています。

長野県塩尻市の特任CCO インタビューにこたえる千葉憲子さん


__今回、 長野県塩尻市の特任CCO になられた経緯をおしえてください

昨年、長野県塩尻市役所の地方創生推進課で、 副業 限定の特任CMO(最高マーケティング責任者)とCHRO(最高人事責任者)を募集して、プロモーションも視野に入れたブランド戦略を立案する「ハイクラス 副業 」というのがあったんです。それがとてもいい成果を出したことで、長野県で唯一、塩尻市が地方再生予算を取れたそうで。そこで今回、新たに5名を追加して塩尻のファン作りを行うプロジェクト“MEGURU プロジェクト”が発足して、私を特任CCO(最高コミュニケーション責任者)に選んでいただきました。

 

__MEGURU プロジェクトとはどのようなものですか?

塩尻再生プロジェクトの一つとして、塩尻市の人手が足りていない中小企業さんと、その他の地域で暮らすさまざまな職種のプロフェッショナルな方を 副業 という形で、オンラインでつなぐサービスです。私はこちらのオンラインイベントの運営もさせていただいているのですが、立ち上げて間もない今もかなりの手ごたえを感じています。

塩尻市役所には、山田さんという『日本一おかしな公務員』(日本経済新聞出版)という本も出された方がいらっしゃって。もちろん、彼や彼にも負けす素敵な塩尻市職員の方々のの手腕によりこれらのプロジェクトが成立しているという実情はあるのですが、「塩尻だからできた」のではなくて、このモデルを長野県全域はもちろん、全国どこの地方都市でもできるようにしたいという思いがあります。実際に、オンラインイベントに参加してくださる方の中には、全国の公務員の方もとても多く、改めて塩尻市が日本の地方再生における見本となりつつあるのだなと実感しています。

 

__特任CCOは、 副業 として取り組まれているのでしょうか

はい。元々本業の仕事自体が多岐に渡るため、社内で副業をしている状態だったので、一つ二つ増える分にはそこまで抵抗はありませんでした。さらに、ガイアックス社員は副業している方が多いので、私もそこまで気負わず参加できています。とはいえ、比重としては、今は全体の仕事の中での5%くらいといった感じです。

長野県塩尻市の特任CCO インタビューにこたえる千葉さん


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千葉さんがコミュニティにこだわる理由は何ですか?

私は、プライベートでも「川崎100人カイギ」など、さまざまなコミュニティ運営に関わってきました。それは、“人と人をつなげる触媒になりたい”という思いがあるからです。コミュニティを立ち上げて運営するのは、とても手がかかりますが、コミュニティに関わってくださった方同士が混ざり合い、新しい何かが生まれていくのを見るのがとても楽しいんです。今や当たり前となった“マーケティング”という職種が10年前はさほど注目されていなかったように、これからは“コミュニティ運営”という職種が、重要視されてくるのではないかと思っています。

今は情勢的にもオンラインでのコミュニティが主流になりつつありますが、いつか、リアルなコミュニティの場としての箱、たとえば私がママとなるスナックを持てたらいいなと思っています。

 

__オンラインで複数の人をまとめるコツはなんでしょう?

コミュニティ運営に向いているのは、細やかに手をかけ、広く目を向けられる人だと思っています。ぬか床のように、毎日こつこつと愛情をもって手をかけてあげれば、自分だけの味わいのあるコミュニティに育っていくんです。もちろん、いいときは長くは続きませんから、衰退もします。そんなときは新しい野菜を投入してメンバーの入れ替えをしながら、長く続けていくことが大切なんです。

また、オンラインでイベントやミーティングを行う際は、対面しているときほど相手に気持ちが伝わりにくく、言葉が強く感じてしまうことがあるので、私はよく「スナックママのように!いいことは2倍ほめて、ダメ出しは丁寧に慎重に」と言っています。オンラインでは、言葉選びや表情、ジェスチャーなどもポイントになってくると実感しています。

 

__これから、 副業 したいと考えている方にアドバイスをお願いします。

私は、モヤモヤしていた前職時代に「Team WAA!」でボランティアとして関わっていたのですが、そこでコミュニティの力を知り、それによって人が変わっていく面白さにハマっていきました。その経験が今の私の土台となっています。

働き方に不満や悩みがある方は、まずはいろんなことを試して、自分のやりたいことを知ることから始めるのがいいと思います。コツは、最初から高い目標を設けず、ハードルを低く設定してトライしてみること。年齢や経験は関係なく、何でもいいので、自分が好きなことを突き進めていけば、きっと道は開けていくと思っています。

長野県塩尻市の特任CCO