都内で地方のビジネスコンサルタントを請け負う会社員として働いていた新井さんは、趣味のカレー作りをきっかけに会社を設立。現在は3つの肩書をもちながら、特定の拠点を持たず移動しながら暮らす“アドレスホッパー”として生活している。そんな新井さんの働き方について、お話を伺いました。

__新井さんの現在のお仕事について教えてください

今年の4月までは、会社員として地域でモノづくりをする人たちのマーケティングやwebコンサルタントの仕事をメインとして働いていました。5月からは以前より小さく活動していた自分の会社により注力する形で、自分の会社㈱瞬の代表として、地域で活躍する「個人」に焦点をあてて食空間(カレーを提供するなど)とWEBを通してその魅力を伝えています。加えて、僕のライフワークとなったカレー関係の仕事として、カレーのある食卓を通して人と人がつながる場をつくる「一平ちゃんカレー」、Experience the mixをテーマにカレーを軸にコミュニティとメディアを作る「6curry」の代表シェフ、さらにスパイスカレーをみんなで作って学び合う「スパイスカレー研究部」の部長という3つの肩書があります。

__肩書3つとはすごいですね。それらはどういう経緯で増えていったのでしょうか?

本業である地域のコンサルタントをしていると、地方に行く機会が多くて。どうせならもっとその土地を知りたいと思い、自腹で1泊多く泊まって地域の人たちと交流するようになったんです。そこで、趣味のカレーをふるまったり、一緒に作るワークショップを開くようになって、今のスパイスカレー研究会のルーツができあがりました。2016年には、アマチュアのカレーの1位を決める、アマチュアカレーグランプリで優勝したこともあり、カレーの活動の幅がどんどん広がっていきました。
2017年には、地域の食材を使った美味しいカレーを作って一緒に食べられたらという思いで、店舗を持たない会員制のゴーストレストラン「6curry」をスタートさせました。
ここでは、人によって、食べ方や楽しみ方、具材も様々な料理、カレーの「混ざり合う」面白さや楽しさを、たくさんの人たちと楽しみ、作っていきたいという思いで「EXPERIENCE THE MIX.」をキーワードにさまざまな活動をしています。
「6curryKITCHEN」という月会費3000円を払えば、毎日1杯、好きなときにカレーが食べられるというサービスも行っています。

__新井さんにとってカレーとはどういう存在ですか?

カレーは今や日本食のひとつであり、立派な文化だと僕は思っていて。そのことを世界に広めたいですね。あらゆるスパイスを混ぜて作るカレーのように、カレーを軸にいろんな背景を持った人たちが集う場ができる、これってすごいことだなと。もうすぐ2年になる「スパイスカレー研究部」では累積の部員が500人となり、この度Cookpad Do!さんとコラボさせていただくことになりました。こうした、カレーが真ん中にある場をもっともっと日本で増やしていきたいですね。
とはいえ、僕の頭の中の100%がカレーというわけではなくて(笑)、よくコンサルティングをさせていただく際にも話をするんですが、その人のスタイル(生き方)はスキル×スタンスで決まると。僕にとってはコンサルというスキルとカレーで場所を作るというスタンスが掛け合わさって今のスタイルになっているんです。何かひとつ、自分の中にたとえば僕にとってカレーのようなブレない軸を設定して、とりあえずその自分を走らせてみると、自分ならではのスタンスが見つかる気がしています。

__ADDressアンバサダーを始めたきっかけを教えてください

仕事柄、地方に出張する機会が多いのですが、その地域のゲストハウスをコンサルティングさせていただいた際に「コンサル料はいらないから好きな時に泊めてほしい」と交渉していくようになって、アドレスホッパーになりました。そんなときに月4万円でさまざまな地域にある家をシェアして暮らすというコンセプトの「ADDress」のことを知って、自分と通ずる部分があるなと。そこでアンバサダーとして、「ADDress」の魅力を広めるお手伝いをさせていただくことになりました。自分のライフスタイルに合わせて選んだ場所で、好きな人たちとお気に入りの自由を過ごす。そこで生まれる繋がりが、人生をもっと豊かにする。まさに僕が考える働き方だと思っています。

__新井さんのように自分で新しいことを始めたいけど、何からすればいいか迷っている人にアドバイスをお願いします

人は朝起きてから夜寝るまで、1日に1万回も選択をしていると言われています。何を着るか、何を食べるか、どこで何をするか、誰と会うか…。そんな小さな選択の積み重ねがその人を作っていくんです。自分はこの先どうしたいのか、どんな生き方がしたいのか、自分自身とたくさん対話して、自分の生きるスタンスを見つけていってください。最初から完璧な答えを求めずに、とりあえず仮でいいから、自分の好きなことを走らせてみると、案外道は開けてくると思います。

会員制の「6curryKITCHEN」では月に1~2回、誰でも利用できるオープンDAYがあるそう。まずは一度、新井さんの美味しいカレーを食べに行ってみて!他にも恵比寿・広尾・目黒・白金周辺に限り、UberEATSで6curry自慢のカレーをお届けしたり、食のイベントプロデュースも。詳細はHP(https://6curry.com/)で確認を。

カレー研究部×Cookpad Do!で実現した「カレーミートアップ!」は、みんなでガラムマサラからスパイスカレーを手つくりするイベント。日本酒に合うカレーも即興で作るそう。
Cookpad Do! カレーMeetup Vol.2