ココナラ 20分でアートを競い合う競技型デジタルアートLimitsでは世界大会に出場するhirofumiさん

会社員の傍ら、趣味でイラストや 似顔絵 、漫画を描いていたhirofumiさん。スキルのフリーマーケット「ココナラ」で 似顔絵 を出品し始めたことをきっかけに、20分でアートを競い合う競技型デジタルアートLimitsでは世界大会に出場するなど、今や立派なアーティストとして活躍中だ。そんなhirofumiさんに、副業で好きを極める極意や、世界大会出場までの軌跡を伺った。

___現在のお仕事について教えてください
日中は出版社のITビジネス部門で会社員をしています。小さい頃から絵を描くのが好きだったのですが、仕事にするまでには至らず、好きな時間にイラストや漫画を趣味で描く程度でした。

__描くことを副業にしたきっかけは何ですか?
今でも年間数十万円程度の収益なので、副業と言えるかは微妙なところなのですが、2011年頃、仕事のストレスから体調を崩して会社を休んでいた期間があったんです。そのときに「これからは自分の好きなことをやろう!」と思い立って、2012年にローンチしたばかりの「ココナラ」に登録して500円から 似顔絵 を描くことを始めました。自分が描いた絵を気に入ってくれる人がいることが嬉しくて、もっと世界を広げて自分を試したくなって、アーティストとしての活動を始めるようになりました。

__ココナラを選んだ理由を教えてください
僕は美術大学出身でもないし、独学で絵を描いています。アーティストとしてのキャリアはあまりありませんが、経験や肩書がなくても、プロでもアマチュアでも、誰でも好きなことを気軽に挑戦できる「ココナラ」がいいなと思った点です。価格も自由に設定できるので、気負わずにできるのもいいですよね。僕がアーティストになったきっかけの一つは「ココナラ」と言っても過言ではありません。

ココナラ coconalaのShareイベントでiPadで似顔絵を描いたときの様子
「ココナラ」のShareイベントでiPadで 似顔絵 を描いたときの様子。

__hirofumiさんが活動されている「競技型デジタルアートLimits」とはどういうものですか?
パソコンを使ったデジタルツールで絵を描いて相手と戦うガチンコバトルです。僕は異種格闘技に近いものがあると思っています。与えられた2つのテーマをもとに想像を膨らませ、コンセプトを作って20分でアートを制作させていきます。それを描く過程を審査員と会場とオンラインと見ているオーディエンスに評価してもらい勝敗を決めていく、新しいデジタルアートのエンターテインメント・スポーツと言われています。

「Limits」日本大会2019の対戦バトルシーン。右側がhirofumiさん
「Limits」日本大会2019の対戦バトルシーン。右側がhirofumiさん。

__「Limits」のどんなところに面白みを感じていますか?
イラストや漫画を描くって部屋にこもって一人で描くと言うイメージだったのですが、このアートバトルはオーディエンスに描く過程を見てもらうライブパフォーマンスです。絵はもちろん、描く雰囲気だったり、設定だったり、予想がつかない結末だったりをトータルで考えながら、どうやってオーディエンスを沸かせるかを表現するのが、すごくクリエイティブで面白いですね。

IMG_9633.TRIM


「Limits」世界大会2018のときのもの。

__hirofumiさんの作風やこだわりはありますか?
躍動感や流動的な絵が特徴でしょうか。人物やキャラクターに加えて情景を描くことが得意かもしれません。「ココナラ」で描いていたときはモノクロの線画タッチなものが多かったのですが、デジタルアートバトルでは、ダークな色を用いたSFタッチな世界観が好きですね。ファンの方には、どこか切ないストーリー性がいいと言っていただくことが多いです。ただ絵を描くだけではないので、ムード作りやストーリーは大事にしています。あとは下書きをあまりせずに早く描くので、そこも演出のひとつであり、作風につながっているのかもしれません。

太陽をテーマにしたイラストレーション「Horus」
太陽をテーマにしたイラストレーション「Horus」

__描くことを副業としている理由は何でしょう?
嬉しいことに、最近では一流のアーティストの方と関わらせていただく機会も増えたのですが、マネタイズできている人はほんの一部です。表現する場としてのプラットフォームは増えているのですが、シビアな世界なので、自分の作品で収益化するのはまだまだ難しいと感じています。SNSで絵を投稿したり、イベントに参加してファンを増やすことも重要です。ただ、僕には家族もいますし、たくさんの時間を描くことだけに割けないので、今はライフワークとして空いた時間や仕事が終わった後に描きつつ、絵描きとしての世界を広げていきたいと思っています。