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仕事はステータスよりつながりで選ぶ

このコラムを読む人の多くは、転職の際に使うサービスとして、リクナビよりもWANTEDLYを好むのではないか。給料の高さや社会的地位ではなく、「自分にとってかっこいいこと、素敵なこと、共感できること」を仕事に求める人がどんどん増えている。

例えば、「音で繋がる感動」をより多くの人に届けることを目指して、カラオケを録音して友だちとシェアするアプリが流行っている。モノを売ってお金を貰うことだけが仕事じゃない。ビジネスモデルは多様になって、予想もしないことが仕事になる。「WANTEDLY」には「予想もしない仕事」が溢れている。そして新しい仕事との出会いはソーシャルメディアの“つながり”がもたらしてくれる。この人を応援したいという熱いメッセージはフィードに流れ、人とのつながりを媒介に広がってゆく。仕事を選ぶ基準は”ビジョンとの相性”と”つながりの確かさ”。仕事も働き方も変わり、私たちが生きる社会の仕組みである経済もルールが変わりはじめている。

「共感」が貨幣としての価値を持つ時代へ。

経済は人が暮らしていくための社会の仕組み。お金が周り、人が働き、サービスを受け、その循環が社会をよくしていく。経済には“贈与”“貨幣”などの側面がある。相手に一方的に貢献し、贈り物をするといった意味の贈与経済、すべてのものは市場を介して貨幣で交換可能な貨幣経済。時代とともに経済が包含する範囲が広くなる。経済の1つの通貨として“つながり”をとらえたのが岡田斗司夫氏の“評価経済社会”。この評価経済では“つながり”は換金可能で、より多くのいいね!などの共感を得られるなら、その人は社会の中で生きていけるというもの。そして、お金は評価である“共感“に従属し、「サービス」も「モノ」も共感で手に入れられるようになる。「Campfire」や「MAKUAKE」などクラウドファンディングがまさに評価経済社会そのもの。プロジェクトがソーシャルメディアで拡散することで応援者=ファンの共感を呼び、お金や必要なモノなど集まる。”共感“や’つながり’が社会で貨幣を従属させる通貨になりはじめている。

「Airbnb」は、WEBサービスの域を超え、新たな文化を生み出した。

ご存知、「Airbnb」はシェアリング・エコノミーの代表的企業。空き部屋を旅行者にマッチングするそのWEBサービスは、ホストのコミュニティを地域ごとに構成し、その地域ならではの体験にアクセスできるよう工夫されている。

実際に私が「Airbnb」をシェアメイトとはじめたときのこと。始めに泊まりに来てくれたのが同社のco-founder「Joe」だった。受け入れるまでにメッセージをやり取りや、プロフィールを見るなど行うのだが、職種には「アメリカのプロダクトデザイナー」とだけ書いてあった。「アメリカのデザイナーの男性が宿泊しにくるのか」と思うと、ちょっとドキドキする。彼は当然「Airbnb」を利用して何度も宿泊をしていたようで、過去に彼をホストした人のコメントには「彼は整理整頓できるし、家の使い方も綺麗でいいやつだったよ。また来いよ!」と書いてあった。「悪い人じゃなさそうだし、Joeに泊まってもらおう」とシェアメイトと相談して受け入れることにした。出会ったら、本当にいい人だった!聞きたいことになんでも答えてくれて、一緒に問題を考えてくれて、真摯にアドバイスもくれた。年末だったので除夜の鐘を突いて、お雑煮を食べて、初詣に行った。1泊の予定が7泊になり、お互いに最高に楽しい時間を過ごすことができた。Airbnbはウェブサービスというよりムーブメントみたいだ。空き部屋を貸し出し、旅人とホストが出会い、地域の魅力を味わい、2人のつながりが生まれ、その輪が広がっていく。人と人が旅と部屋を通して、今まで想像もできなかったつながりが生まれていく。その人たちは国境のない1つのコミュニティで、「互いの地域を尊重しあう」、「はじめて出会う旅人に最高のおもてなしを贈る」ことをルールにし、新たな文化を社会にもたらしている。

「シェアリング・エコノミー」が導く豊かな時代。

ソーシャルメディアでモノ、お金、サービス等を共有することにより成り立つ経済の仕組みをもってシェアリング・エコノミーと今は言われている。でも、この活動を通してもっとその意味を豊富なものにしたい。ソーシャルメディアを毎日使い、いろんなコト・モノを仲間と共有しながら生きる私たちだからこそ作れる社会の仕組みがあるはず。お金とモノを追い求め自分だけで生きてきた時代から、モノやコトを仲間と共有して一緒に楽しむことを大切に生きる時代へ。1人1人が豊かな出会いを得るきっかけを持てる時代へ。もっといきいきしたシェアリング・エコノミーがきっとあるはず。

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