ビジネススキルから趣味の習い事まで、あらゆるスキルが気軽に学べる人気のシェアリングエコノミーサービス「 ストアカ 」。そのストアカで3年連続ベスト先生の熊野整さんは、エクセルを副業で教えるスマートニュース社の財務部社員。ストアカで教え始めてから、すでに著書も3冊出版されている、まさに“エクセルの達人”です。関数やマクロではない、事業計画やパワーポイントなど、“見せる資料としてのエクセル”の使い方を教える講座が幅広い層に大人気。副業をする心得についてもお話を伺いました!

__ストアカで先生を始めたきっかけを教えてください。

以前はモルガン・スタンレー投資銀行本部で顧客企業のM&A、資金調達案件に携わっていました。外資系の投資銀行でしたので、それはもう徹底したエクセルでの数字管理が当たり前でした。その後日本の企業に転職して、「それどうやるの?」とエクセルの資料作りなどに関して質問されることが増えてきて。日本では事業部ごとにフォーマットが統一されていなかったり、社内でデータを共有するのにも不便なことが案外多いんですね。まずはそんな社内の身近な人たちに教え始めたのがきっかけですね。

__ストアカを始めて変わったことはありますか?

たくさんの方に会い人前で話す機会が増えたこと。最近では、企業での新卒セミナーや、地方講演を行ったり、「外資系投資銀行のエクセル仕事術」(ダイヤモンド社)「外資系投資銀行がやっている最速のExcel」(KADOKAWA)「外資系投資銀行の資料作成ルール66」(プレジデント社)など本も3冊出させていただくまでになって、この5年で環境は大きく変化しましたね。副業として始めたこの講座がだんだんその域を超えてきたので、副業を認めてくれる今の会社に転職したことも変化のひとつですね。(※あくまで本業に支障を出さないこと、本業に関連のあることなど条件はあります)

__どういった方が受講されていますか?

大手の商社や会計監査法人といったビジネスでの利用者はもちろん、女性や大学生、新卒社会人と参加者層が幅広いのが特徴です。見やすい表にはルールーがあるので、難しい関数計算は一切行わず、エクセル・グラフ・パワーポイント資料作成講座や、生産性を高めるショートカット講座、簡単な収益計画など、PCスキルを高めることを講座内ではお伝えしています。

__講座をする上で心掛けていることはどんなことですか?

他の人ができないことで多くの人が知りたいことの追求でしょうか。世の中にはエクセルに苦手意識を持っている人が案外多いので、簡単なスキルでプロっぽい表や事業計画まで作れると自信が持てますよね。そこは大事にしています。なので、難しすぎたり、即効性がなかったりすることはしていません。
あとは価格のお手頃感も大事にしています。まず無料講座を開催してアンケートを行い、「いくらだったら受けたいか」を調査し、価格を設定しました。特に初回講座の価格設定は大事で、高すぎてもダメですが安すぎても信頼がなかったり…。試行錯誤しながら今でも変動しています(現在は超入門は2,980円で実践編は4,980円)。あとは講座で出た利益をFBの広告宣伝にも使ってさらなる集客拡大を狙っています。

__副業をする上での苦労はありますか?

もうね、ココだけの話、どちらも極めようと思うとかなりハードです。今は、平日は本業のインターネット企業の財務企画担当をしているので、合間に取材や講演を入れる程度。週末にストアカの講座をしたり、地方でのセミナーや執筆作業を行っています。とはいえ今の会社は理解があって他にも副業をしている社員が多いなので、その点ではありがたいですね。思い返せばこの5年、丸1日休んだことはないかもしれません(笑)。「副業は簡単なことではない」というのは声を大にして言いたいですね。今の仕事が不満だから副業を…という“逃げの副業”もあるかもしれませんが、経験上それでは成功しないと思います。どっちも本気でやる必死さは成功の条件かなと。

__今後挑戦してみたいことはありますか?

東京以外の人からも講座を受けたいという声があって、企業と連携しながら動画配信教材の制作も試みている段階です。でも、動画ってちょっと特殊で孤独な作業なんですよね。今はまだ目の前で直にお話する講座の方が楽しい。たくさんの人に会うと元気をもらうんですよね。だから特に疲れるということはなく、僕にとってストアカの講座はLIVE感覚かもしれません(笑)。

__これからストアカで先生を始めてみようという人にアドバイスを!

自分しかできないことを見つけてみて、先ほど述べた“逃げの副業”ではなくて、“プロの副業”を目指してください。職人でも人事でも経理でも「この道30年これしかやってこなかった」というプロフェッショナルな仕事こそやってみると案外道が開けるのかなと思いますね。あとは僕自身も講座のキャッチやネーミングはすごく考えました。“エクセルの神”だと上から目線な感じだけど“エクセルの鬼”だとキャッチーだしユーモアがありますよね。講座名も「投資銀行が教えエクセル」と信頼性を伝えながらも、難しく見えないよう「超入門」をつけてハードルを下げています。これらを気にするだけで集客が全然変わってくると思いますよ。