仕事は会社でするもの、仕事はひとつだけ。そんな時代は本当に変わりつつある。今回お話を聞いたMikiさんは、2人のお子さんを育てながら、生活に関するサービスを受けたい人と提供したい人をつなげるご近所助け合いサービスAnytimes(エニタイムズ)での家事代行をはじめ、ケータリングや不動産事務、Airbnb代行運用と複数の仕事をしている話題の“シェアワーカー”だ。さらに春からは日本と海外での二拠点生活になるという。

__Mikiさんのこれまでの職歴について教えてください。

大学卒業後すぐに結婚出産をしたので、ほぼ社会人経験がありませんでした。でもあるとき、長男に「なんでママって働いてないの?」と言われたことがきっかけで、働くことを決意。化粧品会社や不動産関連の事務職、NPOでのライティング業とさまざまな仕事を経験しました。

__シェアエコサービスを活用してお仕事することになったきっかは?

次男を授かり、在宅で仕事をするようになったことがきっかけですね。子育てをしながら空いた時間や夜に集中して仕事ができる時間の使い方がとても効率よくて私にはあっていたんです。とはいえ、働くことが好きなので、その後完全フルタイムで復帰もしたのですが、それが本当に忙しくて。帰宅している長男の夕飯に、会社から遠隔でピザを頼んだことも…。会社では仕事が終わらなくても先に帰ることに罪悪感を感じ、家では家族に申し訳なく感じ、いつも誰かに後ろめたい気持ちがあってちょっと疲れてしまって退社しました。
そんなときに、偶然Anytimesの家事代行サービスを知って。「もっと早く知りたかった!」というのが正直な感想でしたね。でも待てよと。料理も好きだったので「私も提供する側になれるんじゃないか!」と一念発起して登録したんです。

__今されているお仕事について教えてください。

Anytimesから始めたシェアワークですが、今は家事代行以外にも複数のお仕事を請け負っています。他にLancers(ランサーズ)でケータリングサービスを請け負ったり、あとは知人の紹介でAirbnbの運用代行や不動産事務、翻訳など在宅でできるデスクワークがあります。シェアワークだと、自分でスケジュールを決められるので、会社員時代の予期せぬ残業といったストレスもなく、終わり時間が見えるので、子どもの予定と合わせられるのがいいですね。ある日は午前中に不動産事務や翻訳の仕事をして、友達とランチ、午後は家事代行の仕事をして夜にAirbnbの仕事をするなど働き方は日によってさまざま。家事代行の頻度はまちまちで、「今週忙しいのでお願いします!」と急なご依頼も度々入ります。仕事や育児だけではなく、自分の時間もスケジュールに組み込めるのも気に入っています。


__家事代行サービスを依頼される方は、どんな方が多いですか?

圧倒的に小さいお子さんがいるご家庭ですね。旦那さんが忙しかったり、頼れるご両親が近くになかったりとワンオペ育児をされているママさんが多いです。ご自宅に伺ってお料理やお掃除をすることもあれば、宅配ボックスにつくりおきを定期的にお届けする方、お仕事が遅くなる日にお子さんが学校から帰宅する時間に合わせて一緒にお料理をしながらお留守番をする、など利用者の要望にはできる範囲でお答えしています。
それと、私が九州出身なので、味付けがちょっと甘めなせいか、リピーターしてくださる方は関西出身の方が多いのには驚きましたね。家庭の味や好みに近いかどうかもポイントなのかなと。

__家事代行をする上でやりがいを感じることはどんなことですか?

私自身も経験がありますが、仕事から疲れて帰ってきてから夕飯を作るって本当に大変なんです。帰りの電車の中で冷蔵庫の中身を想像しながらメニューを考えて、どの順番でご飯を作って子どもをお風呂に入れて寝かせるかのミッションを分刻みで考えるのって仕事並みにパワーを使います。だから、「帰って夕飯があるって思うだけで心に余裕が生まれるから、子どもにも優しくなれるんです」と言っていただけたときは嬉しいですね。
うちの子は上が高校生、下が小学校の高学年とあまり手がかからなくなったので、今になって思うのですが、大変だけど、子どもが小さくて手がかかるうちってあっという間で、とても貴重なかけがえのない時間だと。忙しいけれど、その時間を愛しく感じ楽しんでもらえるお手伝いが少しでもできたらいいな、と思っています。

__家事代行をする上で心掛けていることはどんなことですか?

料理をする際は衛生面には一番気を使いますね。また、ご自宅に伺う以上、触ってほしくないところや重点的に掃除してほしい箇所、調味料の場所まで細かく聞きます。それと、相手がお話されるまで、こちらからは立ち入ったプライベートなことはお聞きしません。
あとは、料理の合間に片づけや掃除をする際は、一度外に出てみて玄関から入って「気持ちいい」と感じるかの確認をします。お金をいただく以上、期待以上のことをしたいなと思っているので。
個人と個人のお取引なので、何事もよく考えて慎重に進めるよう意識しています。上司もいませんから人任せにできない責任や緊張感はありますが、やった分だけダイレクトに感謝してもらえるのは本当にこのサービスならではだと思いますね。

先日、ある小学生の女の子とお料理をしながらお留守番をしているときに「私オクラが好きなんだ」と教えてくれて。そうなると、「じゃあ次来たときはオクラを入れたお料理を作ろう!」という気持ちになりますし。そういう何気ない会話から生まれるヒントも大事にしています。

__今後やってみたいことはありますか?

最近は、ご自宅に料理をしに行くと、「料理しているところを見たい」と言っていただくことが多くて。料理が苦手だったり忙しいけれど、自分で再現したいというママさんもいるんですね。そんな方たちを複数人集めてつくりおきパーティをしてみたり(一人一品作ってみんなでシェアすればラクチンですよね)、お子さんと一緒にお料理をしたり、料理や家事の代行の域を超えたこともしてみたいですね。

__シェアワークを始めてみようと思う方にアドバイスを!

これからの時代、仕事は一つとは限らないし、特に子育てをしていると自分で時間のロジを組めるのってとても効率的なやり方。それにはシェアエコサービスの活用は本当にうってつけです。私自身、この春から息子が海外に留学するので、行ったり来たりの二拠点生活になるのですが、パソコンさえあればスケジュールを管理したり事務や執筆作業はできるので、今までと変わりません。日本にいるときは家事代行もしていくつもりです。
仕事がどこにいてもできると、フットワークが軽くなるものだなと改めて感じているところです。まずは勇気を出して1歩を踏み出してみてください。きっと見える世界が変わってくるはずですよ。