ここ数年、シェアリングエコノミーが旅の楽しみ方や地域の課題解決に大きな変革をもたらしつつある。“みんなの好きを体験しよう。”がコンセプトの「 TABICA 」もそのひとつだ。今回は、実際に TABICA でホストを務める5人の方の活動例をご紹介していきます。

TABICAとは?

だれかの“好き”を通して見れば、いつもの日常も初めて見る景色に変わる。

TABICA とは、さまざまな人と“好き”を通して繋がる体験シェアサービスだ。家族で楽しむ非日常体験、趣味を通じた新たな出会い、歴史や文化などの知的好奇心を刺激する体験といった個人の体験はもちろん、地域の人が企画した体験プログラムを行うことで、その地域らしく豊かになることを目的とした地域おこしの一環としての役割も担いつつある。

少子高齢化や人口減少が進む今、全国の約60%が過疎地域となっており、2040年には869市区町村が消滅の危機に直面すると言われている。まさに、地方創生は日本の最重要課題のひとつだ。TABICAのサービスによって「その地域ならではの暮らし」を見える化し、誰もが体験できるようにすることで、移住者促進や二拠点居住などの地方活性化に繋がるきっかけになることが期待されている。

以下では、TABICAのホストとして活躍する5名の方の活動例をご紹介していきます。

「普通の主婦が月間270万PVのミニマリストブロガーに」阪口さん

片付けが苦手でいわゆる“汚部屋”状態だったという阪口さんが、「モノをコントロールする側の人間になろう」とミニマリストブログの道へ。今では、月間270万PVを誇る人気ブロガーだ。
「TABICAでは、私のブログを読んでくださる全国の方に直接会いたいというのがきっかけです。お金を出してまで私に会いに来てくれる人の顔が見たくて(笑)。私の講座は一応『整えゼミ』っていう名目でやっていますが、片付けられない人ばかりではなく、悩んでいない人もくる。お菓子食べながらコーヒー飲んで、ゆるく2時間くらいお話をします。
普通の主婦がブロガーになって、それがきっかけでTABICAを通して色々な経験ができるようになったじゃないですか。体験って財産、もっといえば知識と体験は財産かなと思います。体験すると、考えることが多くなる。普段使わない脳を使うんですよね。だから、考え方がものすごく柔らかくなる。そして自分の人生に彩りを添える。そういうものを手に入れるのって案外、簡単なんだってTABICAで教えてもらいました」
https://share.jp/host-interview/tabica_sakaguchi/

趣味のタロット占いが立派な副業に!松子さん

出版社を経てフリーランスの編集者・ライターをしている松子さんは、趣味で始めたタロット占いを気軽にできる場所としてTABICAを選び、現在は副業となっている。

「TABICAを始める前は、カフェで趣味を生かした個人のイベントを開くこともあったのですが集客が大変で、また参加される方にも偏りがありました。でも、TABICA上で募集すると、さまざまな世代の方たちが参加してくれるので、毎回勉強になります。最初に企画したのは、表参道散策。アロマショップやオーガニックを3~4箇所ご案内して、お買い物のアドバイスをし、それからカフェで占いをしました。TABICAで企画している占いでは、明るいカフェやスペースで、カードも日本のイラストレーターさんが作ったライトなものを使用して怖くならない工夫をしています。占いの館で構えているシリアスな占いではなく、占いができる友達に相談してみようくらいの感覚ですね。

やってみて感じたのは、ライター活動で身につけた臨機応変な対応能力が他のことでも活かせるのだということ。ライターも占いも、今はどちらも楽しいことが仕事になっているので、比重を変えながらやっていけたらいいなと思っています。TABICAでは、毎回違ったシチュエーションで、いろんな人に会うので、形式通りこなすことを目的とするよりも、その場その場の対応や出会いを楽しめるような方がホストに向いていると思います」

https://share.jp/host-interview/tabica_slot/

 

「刀の所作に侍風着付け、武士道まで! 時代劇俳優が教える日本文化体験」近藤康成さん

時代劇俳優としても活躍する近藤康成さんがTABICAで提供しているサービスは、刀の所作に侍風着付け、武士道といった日本文化の体験だ。「TABICAでは、刀を使った所作や、侍風着付けを行なうイベントなど、日本の伝統文化を伝える『伝ふプロジェクト』として開催しています。大事にしているのは、知識ではなく、体験してもらうことに比重を置いていること。武士道も着付けも殺陣も、理屈ではなく体験してみて初めて気づくことが多いからです。自分で企画して場所を借りて宣伝をするというのは、思っている以上に大変でリスクもあります。ですが、TABICAで体験を提供するときは、永田町GRIDを利用することができますし、サポートがしっかりしているので安心して始められる、シェアエコ初心者にうってつけのプラットフォームです。失敗したからといって罵られるわけでもないし、ノルマ達成しなくて誰かに責められることもありません。大きく失敗してもいいと思います。ダメならダメでも、続けていれば新しい人に出会い、少しずつうまくなっていくので。気軽に一歩を踏み出してみてください」

https://share.jp/host-interview/tabica_jidaigeki/

「国産木材のワークショップを通して日本の森を元気にしたい!」鈴木誠さん

木工を仕事としながら、鎌倉の古民家カフェで木材を使ったワークショップを提供する、鈴木誠さん。木材への興味から森へ入るうち、日本の山の現状を知り、国産材・間伐材利用の普及を目指し活動している。2010年には「森林インストラクター」の資格を取得し、山歩きから、ネイチャークラフト・森林施業体験まで、幅広く森の魅力を伝えている。
「TABICAに出会う前からクラフトのワークショップを行なっていましたが、集客の限界を感じていたときに、奥さんが見つけてくれたのがTABICAでした。
木工のワークショップでは工具を使うので、子どもたちに怪我をさせない事に細心の注意を払っています。その次に、満足度を意識しています。どういったコンテンツが喜んでもらえるのかを考え、これをちょうど良い時間の中で切り上げられるように設計していきます。これらを当たり前に考慮した上で、“メッセージ性”にもこだわっています。ただ作って楽しかったで終わらせずに、今回使った素材や、山の現状を何かしらのやり方で織り込んでいくようにしています。私が伝えたいのは、日本の山の木を使って、経済的な循環を生んで森を蘇らせる事。ワークショップを体験した参加者の方々が、ご自身が木で作られた製品に触る度に、森の事を思い出してもらえたら嬉しいですね」

https://share.jp/host-interview/tabica_forest/

「家族でも一人でも楽しめる、他にはない体験がいっぱい!」TABICA事業部長原田さん

最後に、TABICA業部長である原田さんに、 改めてTABICA の魅力や、新たなプロジェクトについてもお話を伺いました。
「TABICAの体験は、大手旅行会社では味わえないユニークなものばかり。料金も平均3,000円程、時間は2~3時間、現地集合&現地解散と、とても手軽なのもが多く、最大の魅力は誰でもホストになれることです。
当初は旅をコンセプトに、“その地域でしかできない体験や暮らすように旅をする”といった、遠方の体験が多かったのですが、今ではホストの数も増えてきて、鎌倉街歩き、野毛の飲み歩きといった都心から近くてより身近な体験が増えてきたんですね。そこで、旅だけにこだわらず、それぞれのホストが“好きなこと”をシェアし、新たな出会いを創り出す体験をというコンセプトにシフトしています。
実は、TABICAで一番多い利用者は、40代女性なんです。子育てが一段落してきて、新しい好きを見つけたいと言う方が多いんですね。一人で参加される割合も多く(58%)、一人で参加しても楽しめる体験が多いのもTABICAならではの特徴だと言えます。
今はまだ海外旅行は難しいですが、国内でも体験できるフランス人の農家「アレックス農園」さんが、英語で教える自然教育体験などは、お子さんがいるご家庭にすごく人気がありますね。家族みんなでちょっと変わった体験ができるのもTABICAの人気コンテンツのひとつです。ぜひ試してみてください」

https://share.jp/column/shareservice/tabica_harada/